……ん?



向日葵に笑いかけ、そして独り言を漏らしていた時に、僕は視線を感じた。



だけど二階の教室や、建物の影を見ても誰もいない。



僕のことを見る人なんていないし、どうせ気のせいだろう。



それよりこっちの花にも水をあげないと。



僕はたったっ、と足音を立てて全ての花に水をやった。



ふぅ、あとは水の入れ替えか。



「よしっ」



今日は早く家に帰って図書館で勉強をするつもり。



急いで階段を駆け上がり、二階の教室に入る。



僕の教室のドアを開けて前を見ると、サラサラの髪の毛をなびかせる1人の女子が、僕の机に手を着いて裏庭を見つめていた。