私の返事に安心したお母さんがホッとしたように笑って、そのままリビングに帰っていった。



「っ……はぁ」



矢野くんに呼ばれた私の名前。



矢野くんの声をそばで聞けた……、しかも私の声!



「〜!やっばぁい!」



家の中では素でいられるから、私は自分のベッドにダイブして叫ぶ。



本当に彼と話せたのが、私にとって嬉しいんだ。



不思議な彼に、普通のお花に感情を捧げられる優しい彼に名前を呼ばれる。



それほど嬉しいことなんて、今の私には無いや。



他の男の子百人と、矢野くん一人だったら絶対に矢野くんを選ぶ。