そんな顔見られていたら本当に耐えられないっ。



「わああっ」



誰もいない廊下で私は一人、混乱した自分の声を響かせた。







「ただいまぁ」



「おかえり、桃。何も無かった?」



ドアを開けてすぐに中から出てきてくれたのは、私のお母さん。



私の容姿のこともあってか、すごく心配性で毎日学校から帰ってきたら、無事かどうかの確認をされる。



「うん。何も無かったよ」



にっこり、と微笑んだけど、内心心臓はバクバク。



もちろん体に害は無いし、危ないことがあったわけじゃないけど……。



気になってた人が目の前に現れて、心臓が壊れそうになったよっ……!