誰もいない矢野くんの教室で、窓際の矢野くんの席に手をついていた。



本当はいつも矢野くんが見ている景色が見たいから、椅子に座りたかったけど流石にやめた。



そんなのバレたら引かれちゃうから。



ふふ、私もこのクラスなら矢野くんと話せたのかなぁ……。



あ、でも矢野くんは優しすぎて直視できないかもっ……?



そうなるかもだし違うクラスで良かった……、てことはないけど。



来年は同じクラスになれたらいいな……!



---ガタッ。



……え?



突如教室のドアが開く。



「え……」



私の間抜けな声が教室内に響く。