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赤ちゃんは一人遊びに疲れたのか、眠ってしまいました。
ベビーベッドに寝かせて部屋に戻ると、
クマちゃんが寂しそうに部屋の隅で天井を見上げていました。
いたるところにおもちゃが散らかっています。
白い紙とクレヨンも散らばっています。
どこから引っ張りだしたのか、
靴下もあちこちに片方ずつ投げ捨てられています。
それを見て思いました。
「家なんて もっと汚くてもよかった」
「洗濯物も ためちゃえばよかった」
「家事なんて、全部あとまわしにしたらよかった」
片付けながらつぶやきます。
「もったいないこと しちゃった」
「だって あんな時間は もう二度とない」
気づくと、片付けもしないで、ドアを開け、外に出ていました。
緑の木々と風に舞う花びらを見つめながら思います。
「気がつけば あなたは 新しい夢に夢中で 自分の足で どんどん あるいていくんだろう」
そうなのです。
もうただの赤ちゃんではないのです。
自分というものを持った一人の人間なのです。