「ちょっと!お姉ちゃん!?」
「ど、どうしたの……?」


部屋のドアをバンッと開けた妹雛乃に驚き震える。


「どうしたのじゃないわよ!!朝食がまだでしょう?早く作ってちょうだい!」
「ご、ごめんなさい……」


急いで部屋を出て顔を洗い、キッチンへと向かう。

母親と父親はソファの上でくつろぎながらテレビを見ていた。

平凡そうで、どちらかと言えば優しそうな両親だがそんなことはない。


唯一、この家でまともと言えば食事をする瞬間。4人で机を取り囲み、料理をいただく時のみだ。

憂鬱な気分ながら、食事を取る。両親は何も言わない。わがままな妹はこれでもかというほどに愛されているこの状況。

血は繋がっているはずなのに、遠い人たちのようだった。