「初めまして。セリオン・カルナベールです」
「俺はクラナン・トーハル。こいつは妹のファービア」
ファービアはニコッと笑う。まるで小さな花が咲いたようだった。
「姉ちゃん、約束だよ。案内料の分のお肉を頂戴」
クラナンがレナシェルに言う。
「明日また取りに来い。それまでに捌いておくから」
「わかった!」
クラナンはファービアを連れて神殿の出口へと向かった。
「彼は」
「森の案内を頼んだ」
「魔獣が出るっていうあの森の!?」
セリオンは驚いた。声に批難がこもる。
「魔獣なんか私の敵じゃねえよ。何匹も屠ってきた」
「あなただけならともかく子どもを連れて行くのはいかがなものかと」
「大丈夫だって」
「ダメです。今後は子供も含め、村人を森に連れて行かないで下さい。もとは神域で人の出入りが禁止されていました。言われていることには意味があるのですよ?」
「しょせんはお偉い神官様だな。頭が固い」
レナシェルは肩をすくめ、腰の短剣を使って鹿をさばき始めた。
セリオンはその夜、薪の一つを手に取り、ナイフで削った。
暗い夜の中、燭台の灯りを頼りに完成させ、眠りに着いた。
翌日、セリオンは夜明けとともに起き出して女神像に祈りを捧げる。
次に、女神像の前に昨夜彫り上げたアーリスの紋章を置いて祈りを込めた。魔力が紋章に込められ、薄く光る。
光が収まったそれを懐に入れ、セリオンは拝殿を出た。
中庭に行くと、レナシェルが剣の素振りをしていた。
セリオンを見て、ニッと笑う。
「さすが神官様、朝が早いな」
「神官様はやめてください。セリオンという立派な名前があります、剣士様」
言われたレナシェルは大仰に肩をすくめてみせた。
「俺はクラナン・トーハル。こいつは妹のファービア」
ファービアはニコッと笑う。まるで小さな花が咲いたようだった。
「姉ちゃん、約束だよ。案内料の分のお肉を頂戴」
クラナンがレナシェルに言う。
「明日また取りに来い。それまでに捌いておくから」
「わかった!」
クラナンはファービアを連れて神殿の出口へと向かった。
「彼は」
「森の案内を頼んだ」
「魔獣が出るっていうあの森の!?」
セリオンは驚いた。声に批難がこもる。
「魔獣なんか私の敵じゃねえよ。何匹も屠ってきた」
「あなただけならともかく子どもを連れて行くのはいかがなものかと」
「大丈夫だって」
「ダメです。今後は子供も含め、村人を森に連れて行かないで下さい。もとは神域で人の出入りが禁止されていました。言われていることには意味があるのですよ?」
「しょせんはお偉い神官様だな。頭が固い」
レナシェルは肩をすくめ、腰の短剣を使って鹿をさばき始めた。
セリオンはその夜、薪の一つを手に取り、ナイフで削った。
暗い夜の中、燭台の灯りを頼りに完成させ、眠りに着いた。
翌日、セリオンは夜明けとともに起き出して女神像に祈りを捧げる。
次に、女神像の前に昨夜彫り上げたアーリスの紋章を置いて祈りを込めた。魔力が紋章に込められ、薄く光る。
光が収まったそれを懐に入れ、セリオンは拝殿を出た。
中庭に行くと、レナシェルが剣の素振りをしていた。
セリオンを見て、ニッと笑う。
「さすが神官様、朝が早いな」
「神官様はやめてください。セリオンという立派な名前があります、剣士様」
言われたレナシェルは大仰に肩をすくめてみせた。