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クラナンは子どものユニコーンを見る。
つぶらな瞳がかわいい。母ユニコーンの半分より小さく、クラナンの背よりも低い。
クラナンはそっと手を伸ばした。
ユニコーンの子は歩み寄ってくる。左手で首筋を撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。
今だ。
クラナンは右手に持った縄の輪を彼の首にかける。
驚いた子は暴れるが、クラナンは必死に縄を握る。
「やったぞ!」
大人たちが駆け寄ってくる。
そこへ、母親のユニコーンが猛然と駆け、短い角を突き出す。
大人たちはとっさに避ける。
母ユニコーンは、次にクラナンに狙いを定めた。
「お前、縄を離すなよ! 妹がどうなるか、わかってるだろうな!」
クラナンは返事ができなかった。
怖い。だが、手を離すと妹が殺されてしまう。
ユニコーンが突進しかけたとき、突風が巻き起こった。枯れ葉が舞い、ユニコーンは躊躇したように立ち止まる。
クラナンはその隙に縄を引っ張るが、子どもの力ではびくともしない。
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ユニコーンが突進しようとしているのを見たセリオンは、とっさに風を起こした。枯れ葉を舞わせると、ユニコーンは躊躇して立ち止まる。
突風でユニコーンを囲むと、ユニコーンは突破しようとしては一歩を下がる。それを繰り返した。
「今度は密猟者側に風を起こすから、その隙に密猟者たちをどうにかしてください。代金はどうにかして払います」
「ほう? お守りではごまかされないからな?」
レナシェルは面白そうに目を細めた。
「基本的に完全後払いは受けないが、たまにはやってやろう」
腰の剣に手をやり、彼女は言った。
足を忍ばせて密猟者に近づく。
レナシェルが頷くのを見て、セリオンはユニコーンへの風を止めた。