①物語の設定・主要キャラクターの説明
【物語の世界観】
 中世ヨーロッパ風の異世界で、剣と魔法が発展している。主人公は『メカ』が好きな40歳の社畜男性で、ある日突然異世界召喚される。物語の舞台は大きなA王国。
A王国は、長年隣国のB帝国と冷戦関係にある。近年、関係が悪化し始めており、国境付近では大きめの戦闘が増え始めた。現在、A王国では国王が病に臥しており、兄王子と妹王女が国政を取り仕切っている。兄王子と妹王女はA王国の戦力増強のため、王国に伝わる秘術『勇者召喚』を発動。主人公と不良カップルを日本から召喚する。
結果、主人公は『メカ召喚』という王国民が聞きなれないスキルだった。妹王女は止めたものの兄王子の命により、主人公は王都からの追放及びB帝国の反対側に属する、“大氷原”と呼ばれる氷の大地の領主に任命される。
 主人公はパワハラ上司に苦しめられた前世の経験から、「新しい人生では誰にも指図されず自由に生きたい」と思っており、辺境の領主はむしろ好都合だと感じる。おまけに、スキルを発動すると異世界召喚の恩恵で若返った。
主人公は極寒の大地で、自分が召喚した大好きなメカとともに高性能なスローライフを送る。

【主要登場人物のキャラクター紹介】
①児玉鋼(こだまこう)→ハガネ(主人公)
〇性別:男性
〇年齢:40歳→16歳
〇外見:黒髪黒目、ややたれ目で優しそうな雰囲気の少年
〇身長/体重/体型:175cm/60kg/細マッチョ体型
〇性格:真面目、お人好し、少し子どもっぽい
〇スキル:『メカ召喚』
・「メカタログ」というステータス画面みたいな電子カタログから、「善行スコア」を消費して好きなハイテクメカを召喚できる
・「善行スコア」は善い行いをして、他人から感謝されると貯まるスコア
・メカの性能が高いほど、必要な「善行スコア」も多くなる
・各種メカには『拡張機能』があり、「善行スコア」を消費するとパワーアップする
〇家族構成
・転生前:自分のみ、両親はすでに死去
・転生後:転生先でも天涯孤独だが、大好きなメカたちと一緒
〇その他:
前世では、機械設計士として働いていた。仕事自体は好きだったものの、お人好しな性格が災いして、パワハラ上司から多数の仕事を押し付けられ心身ともに疲弊する。そんな人生の夢は、巨大ロボに乗ること。
ある日、異世界召喚され『メカ召喚』というスキルを得る。また、異世界召喚の恩恵のため、16歳の身体に若返る(異世界人が善人だと、若返りなどの恩恵が付与される。善人と悪人を見分ける手段だが、兄王子は見逃した)。
また、新しい人生が始まるので、ハガネと名乗ることを決める。
上述の『メカタログ』にはたくさんのメカが載っていて、なんと巨大ロボまであった。興奮したハガネは巨大ロボの召喚を目指し、スローライフしながら「善行スコア」を貯めるという“夢の生活”を送る。
結果、巨大ロボに乗りたいから善行をやっているだけなのに、なぜか村人からは名領主として崇められてしまう。
〇召喚するメカの種類
・R=.*#_kV<;@/(メカドローン、相棒)
・アネット(万能メイドロボ、ヒロイン)
・氷水温泉変換機
・スーパーカー(最高時速500km)
・近未来型農業用ハウス
・機械修理機械(リペアマシーン)
・ハイテクメカソード
・エンジンカッター
・全自動翻訳機
・地中探索機
・小型ジェット機
・巨大ロボ

②R=.*#_kV<;@/(メカドローン、相棒)
〇性別:なし
〇年齢:特になし
〇外見:
・球体のドローン
・ふわふわと浮かぶ
・モノアイがあり、目の表情で感情を伝える
〇身長/体重/体型:15cmくらい、500gくらいでずしりと重い
〇性格:素直、頑張り屋
〇スキル/能力:『スキャニング』
・スキャン系統が得意
・機能が拡張されるほど、スキャンの精度や範囲が向上する
〇その他:
・『メカ召喚』の初回特典メカ。人語を介する
・正式名称は複雑過ぎて聞き取れないので、ハガネは「R(アール)」と呼ぶ
・常に浮いているが、ハガネの就寝時は一緒に眠る

③アネット(万能メイドロボ、ヒロイン)
〇性別:女性
〇年齢:18歳くらいの見た目
〇外見:銀髪ロング、赤い瞳、モノトーンなメイド服、見た目はほとんど人間だが両目の下に縦線が刻まれている(周囲からは模様だと思われている)
〇身長/体重/体型:170cm/100kg(メカなので重い)/スレンダー
〇性格:猪突猛進
〇スキル/能力:『クラスチェンジ』
・剣士や魔法使いなど、多種多様なクラスになれる。そのクラスに適した武器が扱える
・機能が拡張されるほど、クラスも増える
・デフォルト:メイド
〇その他:
・ハガネが最初に召喚したメカ(Rは特典なのでノーカウント)
・『メカタログ』を操作して、最初に召喚するよう仕向けた
・ハガネが好き
・拡張機能の最後の方には『妻クラス』もあり、アネットはこの機能を早く拡張するため、ハガネに「善行スコア」の獲得と節約を強いる

②冒頭部分のプロット
【第1話】
主人公である児玉鋼は、機械設計士として働いている。大好きなメカに関わる仕事は好きだが、お人好しの性格が災いして、パワハラ上司から多数の仕事を押し付けられ疲弊する毎日を送っている。辛い日々だが、鋼は『いつか必ず巨大ロボに乗る』という子どもっぽくも大切な夢を抱き、毎日頑張っていた。
鋼は40歳の誕生日も終電帰りであり、タクシーに乗ろうとしたら不良カップルに横入りされる。トラブルを回避するため鋼は順番を譲るが、不良カップルはとても酔っていて話が通じない。挙句の果てに逆恨みされ、そのまま理不尽に殴られてしまう。鋼は意識が薄れるのを感じ、「もし二度目の人生があるなら、次こそは誰にも指図されず自由に生きてみたい」と思いながら気絶する。

【第2話】
誰かに呼ばれて目を覚ますと、鋼は見知らぬ中世ヨーロッパ風の城の広場にいた。周囲には神官や聖女といった風体の人間がおり、よく見ると、あの不良カップルもいる。鋼は何が起きたのかわからず混乱するが、王女と名乗る女性が出てきて、事の顛末や今の状況を説明してくれる。
どうやら、鋼たちがいるのはA王国という大国で、現在隣国のB帝国と緊迫関係にあるらしい。そこで、鋼と不良カップルは戦力増強のため『勇者召喚』をされたとのこと。異世界人は特別なスキルを手に入れるとも言われ、鋼たちはその場で“スキル判定”をされる。結果、不良カップルは『剣聖』と『賢者』という強スキルで、ハガネは『メカ召喚』という謎スキルだった。
鋼は、不良カップル及びほとんどの神官たちや王子に馬鹿にされ、王子から「外れスキルのスカ勇者」と認定される。王女が止めたものの、鋼は王都からの追放&辺境への領主に任命される。王女が最低限の日用品を渡してくれたが、鋼は城から追い出される。
鋼は途方に暮れるも、まずは『メカ召喚』スキルを使うことにする。発動! と念じると、スキルが発動。電子カタログみたいな「メカタログ」と、メカドローンの「R」が出現する。Rはメカタログやスキルについて説明してくれ、「善行スコア」を貯めると、それを消費して多種多様なメカを召喚するスキルだとわかる。鋼はメカタログを眺めてみると、メイドロボやハイテクメカソード、スーパーカーなどたくさんのメカがあり、かなりの高ポイントを消費すると念願の巨大ロボも召喚できると知り興奮する。さらに、鋼は“異世界召喚の恩恵”で、16歳の姿に若返っていた。
 よく考えてみると、領主ということは上司がいない。自由に生きられそうであり、しかもメカタログには巨大ロボまである。
 鋼はハガネとして自由に、そして巨大ロボの搭乗を目的に生き直すことを決める。ハガネとRは馬車に乗り、辺境に向かう。

【第3話】
 数週間ほど後、ハガネとRは大氷原につく。見渡す限りの氷の大地で、山々は深い雪に覆われている。道中、防寒具を買ったもののなかなかに寒い。Rはなんだかあったかいので抱えながら村に進むと、何やら村が騒がしい。
ハガネは旅人と間違われるも状況を聞くと、雪崩で村長が生き埋めになったと聞く。ハガネも救出を手伝うと伝え、現場へ走るとRにスキャンしてもらう。Rのスキャンのおかげで村長の埋まった場所がすぐに見つかり、みんなで協力して助け出す。村長は王国が誇る大錬金術師ともわかり、「錬金術を極めるため各地を放浪し、大氷原の村にたどり着いた。大氷原は良い素材がなかなかなく、錬金術に難儀していた」という話も聞く。
 ハガネは村長と村人たちに感謝され、旅人ではなく領主だと告げる。村長及び村人は大変に喜び、ハガネは大歓迎される。メカ召喚スキルのことも説明すると、「メカの召喚を見てみたい」と言われる。ちょうど村長を救出したおかげで「善行スコア」も貯まった。巨大ロボの召喚までは道のりが大変に長く、まずは基盤を固めようと思う。
メカタログを眺めると、「地中探索機」や「スーパーカー」、「農業用近未来型ハウス」など多種多様な魅力的なメカがあるが、「万能メイドロボ――アネット」のページに戻る謎のバグが発生する。何度めくっても解消されないので、ハガネはアネットを召喚する。アネットは張り切って「ハガネ様はみなさんを救うため、天より舞い降りた雲上人でございます! 全ての難題を切り裂く大善行をします!」と叫び、村民たちは大盛り上がり。村長は錬金術の指南まで頼み出し、ハガネは困惑する。
 その日から、ハガネは領民の生活向上のため、そして巨大ロボの召喚を目指し、氷の大地で“寒くも暖かいスローライフ”を送り始める。