東京支部に隣接する宿舎は六十人いる隊員達の寝床である。
二階建ての建物で、一階は女子二十四人、二階は男子三十八人の自室。
施設とは扉ひとつで繋がっている為、とても移動がしやすい。
そして今夜は雷雨。この頃は不天候。
雷の音が五月蝿く、中々寝付けずに時間ばかり過ぎていく。
雨が降っているからか、秋に近付いているからだろうか少し肌寒く、掛け布団に包まる。
むくりと起き上がり、スリッパを履く。
このまま誰かの部屋に行こうと決め、部屋を出た。
サチの部屋を覗くが、規則正しい寝息をたてて眠っている。ミカの部屋には本人がいなかった。
仕方なく二階を見に行く。これでみんな寝ていたら諦めようと心に決めて、、、。
二階に行くと微かに話し声が聞こえた。
怖くなったが好奇心には勝てず、忍び足で声のする方へ近付く。
声はハヤトの部屋から聞こえてきていた。
扉を開けると、ハヤト、レン、ミカ、ユウヒの四人が円になってトランプをしていた。
今は残暑と言えど夏なので、皆は半袖の寝間着を着ている。ミカとレンだけ薄い上着も着ていた。
「ルナも来たのか」
「うん、何してるの?」
「神経衰弱」
「私もやる!」
この対戦が終わったら入れてくれるらしいので、ミカとユウヒの間に座りながら終わるのを待つ。
「雷、凄かったよね〜」思い出したようにミカが話す。
「うんうん。中々寝付けなくてさ〜」
「ルナが!?何時も一瞬で寝ることで有名なルナが!?」
「待ってハヤト。有名ってどういうこと?」
「そのままの意味」
「え、、、」
「そこは喜ぶとこだよ〜」
「ユウヒ、嘘つくな」
なんやかんや話していたら一回目が終わった。
「よし、二回戦もするぞ〜」
レンの声と同時にトランプカードを混ぜる。二回戦は一回戦の勝者であるミカから時計回り。
何で皆がハヤトの部屋で遊んでいたのか聞いたら、ミカが誘ったらしい。
「俺の場合、ハヤトに叩き起こされたけどな」
レンって意外と苦労人だよね、、、。
「オリオンとアサヒは誘ってないの?ソラは分かるけど、、、」
ソラ、多分徹夜中。
「あの二人は起こせないよ」
あ、理解。
ずっと前にユウヒと一緒に真夜中に叩き起したら今まで見たことがないくらい不機嫌だった。寝起きの凶悪は鬼でも震えて逃げるレベルなので、東京支部には寝ている二人を無理矢理起こす人は誰もいない。
「あの時は本当に怖かった、、、」
「急に寒気が、、、」
いきなり蒼白になった私とユウヒを不思議そうに見る三人。
「ちなみにリンドウは部屋にいなかったよ」何とか私達の心境を察したミカが話題を変える。
「給湯室で寝ているに一票」
「俺は明日の朝飯のおかずを賭ける」
机の上に置いてある置き時計を見ると零時を指していた。
「今日の見回りって誰だっけ?」
「確かカルトだった気がする」そう言った瞬間、扉が開いた。
そこに立っていたのはカルトと首根っこを掴まれたリンドウだった。
「何してんだよ、、、」
「神経衰弱」
レンが平然と答えた返答に、ため息をひとつ。
「それは見たら分かる。今、何時だと思う?」
「零時」
皆の声が重なる。
それに拍子抜けしたのか、カルトは固まった。
「そろそろ寝よっか」
カルトの心境を読み取ったハヤトがそう言って解散した。
ミカと一緒に下り、部屋の前で別れる。
布団に潜り、目を閉じる。
その頃には雨音もあまり気にならず、私は夢の中に落ちていった。
翌日、五人全員が寝坊したのは言うまでもない。
二階建ての建物で、一階は女子二十四人、二階は男子三十八人の自室。
施設とは扉ひとつで繋がっている為、とても移動がしやすい。
そして今夜は雷雨。この頃は不天候。
雷の音が五月蝿く、中々寝付けずに時間ばかり過ぎていく。
雨が降っているからか、秋に近付いているからだろうか少し肌寒く、掛け布団に包まる。
むくりと起き上がり、スリッパを履く。
このまま誰かの部屋に行こうと決め、部屋を出た。
サチの部屋を覗くが、規則正しい寝息をたてて眠っている。ミカの部屋には本人がいなかった。
仕方なく二階を見に行く。これでみんな寝ていたら諦めようと心に決めて、、、。
二階に行くと微かに話し声が聞こえた。
怖くなったが好奇心には勝てず、忍び足で声のする方へ近付く。
声はハヤトの部屋から聞こえてきていた。
扉を開けると、ハヤト、レン、ミカ、ユウヒの四人が円になってトランプをしていた。
今は残暑と言えど夏なので、皆は半袖の寝間着を着ている。ミカとレンだけ薄い上着も着ていた。
「ルナも来たのか」
「うん、何してるの?」
「神経衰弱」
「私もやる!」
この対戦が終わったら入れてくれるらしいので、ミカとユウヒの間に座りながら終わるのを待つ。
「雷、凄かったよね〜」思い出したようにミカが話す。
「うんうん。中々寝付けなくてさ〜」
「ルナが!?何時も一瞬で寝ることで有名なルナが!?」
「待ってハヤト。有名ってどういうこと?」
「そのままの意味」
「え、、、」
「そこは喜ぶとこだよ〜」
「ユウヒ、嘘つくな」
なんやかんや話していたら一回目が終わった。
「よし、二回戦もするぞ〜」
レンの声と同時にトランプカードを混ぜる。二回戦は一回戦の勝者であるミカから時計回り。
何で皆がハヤトの部屋で遊んでいたのか聞いたら、ミカが誘ったらしい。
「俺の場合、ハヤトに叩き起こされたけどな」
レンって意外と苦労人だよね、、、。
「オリオンとアサヒは誘ってないの?ソラは分かるけど、、、」
ソラ、多分徹夜中。
「あの二人は起こせないよ」
あ、理解。
ずっと前にユウヒと一緒に真夜中に叩き起したら今まで見たことがないくらい不機嫌だった。寝起きの凶悪は鬼でも震えて逃げるレベルなので、東京支部には寝ている二人を無理矢理起こす人は誰もいない。
「あの時は本当に怖かった、、、」
「急に寒気が、、、」
いきなり蒼白になった私とユウヒを不思議そうに見る三人。
「ちなみにリンドウは部屋にいなかったよ」何とか私達の心境を察したミカが話題を変える。
「給湯室で寝ているに一票」
「俺は明日の朝飯のおかずを賭ける」
机の上に置いてある置き時計を見ると零時を指していた。
「今日の見回りって誰だっけ?」
「確かカルトだった気がする」そう言った瞬間、扉が開いた。
そこに立っていたのはカルトと首根っこを掴まれたリンドウだった。
「何してんだよ、、、」
「神経衰弱」
レンが平然と答えた返答に、ため息をひとつ。
「それは見たら分かる。今、何時だと思う?」
「零時」
皆の声が重なる。
それに拍子抜けしたのか、カルトは固まった。
「そろそろ寝よっか」
カルトの心境を読み取ったハヤトがそう言って解散した。
ミカと一緒に下り、部屋の前で別れる。
布団に潜り、目を閉じる。
その頃には雨音もあまり気にならず、私は夢の中に落ちていった。
翌日、五人全員が寝坊したのは言うまでもない。