「条件ですか?」

家来は、不思議に思いながらも、書き留める紙を胸元から出した。

「まずは、背が高く肉付きのいい女。」

「はい?」

「いいから、書け。王が一目で気に入った青蘭様がそうなのだ。」

家来は、仕方なくその条件を、紙に書いた。

「そして、これが一番重要だ。兄弟に兄がいない事。」

「はい。将来、お子が王になったら、年上の叔父は、多大な権力を持ちますからね。」

「よく知っているな。行け。」

「はい。」

こうして、忠仁の出した条件を持って、家来は子沢山村に向かった。


2週間後、王がお忍びで休養の為に、この村を訪れる為、盛大にもてなす事。

その際、村の娘に王の世話をさせる事。

娘の条件は、兄がいない事、背が高い事、痩せ細ってない事。


そんな条件を、小さな村に課して。