「いや、行こうよ」

 おっ、灯ちゃん。とうとう、サブタイにつっこむ様になりましたね。パチパチ。

「嬉しくないよ。何、そのサブタイって」

 はぁ~。サンマ定食にしとけば良かった。

「会話の脈絡!」

「私の生姜焼きは、美味しかったですよ」

 それ! ナイスチョイスでしたね、高橋さん。

「無視すんな!」

 だって、せっかく女の子だけのパーティーなんですよ。男の子が加わってハーレム化するのは、ちょっとねぇ~。

「あんたAI的な何かだろ! 性別なんてあんのか!」

 いやですね、私はめが。違った、常に心は女の子ですよ。

「はぁ、もう良いよ女神様。とっとと場所を移してよ」

 なんで、私がそんな事を?

「あんた、私をさんざん連れ回したろ! 今度もパパッと移動して、宮本君を助けようよ」

 え~、粘土臭い。

「粘土かよ! 手が油まみれかよ!」

 え~、あんこ臭い。

「甘くすんな!」

 え~、うんこ臭い。

「急な下ネタ止めろ!」

 それより、高橋さん。攫われたのは、遠藤君だけですか?

「宮本君な!」

「攫われたのは、遠藤君だけですよ」

「高橋さんは乗るな!」
 
 じゃあ、藤村君だけ現代に送り返しましょう。

「なんで! 私達も帰してよ!」

 いやですよ。ち〇こ臭い。

「だから、下ネタは止めろ! もう、面倒臭いからだいぶ遠ざかったよ!」

 灯ちゃんってば、宮本君を随分と庇うじゃないですか。

「だって、クラスメートなんだよ!」

 仲が良かったんですか?

「いや、話した事ないけど」

 では、高橋さんは?

「私も話した事がないです」

 では、宮本君はボッチ決定ですね。

「宮本君の何を知ってんだ!」

「そうですよ。クラスで人気者だったかも知れないです」

 そうなると、お二人がボッチって事ですね。や~い、ボッチ~!

「うっさい! 悪かったね!」

 それより、アリヒリカッザに行きましょう。港町ですから、天丼が食べ放題ですよ。

「食欲旺盛か! 食レポでもすんのか!」

 良いですね、食レポ。今後はその方向で。

「しないよ! そもそも、あんたの食事は怪奇現象なんだよ!」

 何故です?

「だって、空中に食べ物が消えていくんだよ。これをホラーじゃなくて、なんて言うのさ!」

 そりゃあ、私は人の目には見えないですからね。

「見える様にしとこうよ」

 良いんですか? 目が潰れますよ。

「なにそれ、怖い!」

 人は神様を見ると、神々し過ぎて目が潰れると聞きました。

「自分が女神って認めちゃってるよ!」

 そんなこんなの間に、宮本君は日本に帰りました。

「え? いつの間に?」

 え、じゃないですよ。「見える様にし」の辺りで、日本へ帰したんです。

「絶妙なタイミングだな!」

 有能ですから。

「じゃあ、私達は?」

 帰れませんよ。あぁ、高橋さんだけなら帰してもいいです。

「なんで私だけ?」

 だって、災害指定怪獣ですし。

「誰が怪獣だ!」

 自衛隊が出動しますし。

「出動させんな!」

 米国海軍も応援に駆けつけますし。

「大事だよ!」

 だから、帰れまテン。

「何かの番組みたいになっちゃったよ」

「でも、私だけなら帰してくれるんですよね?」

「おい! 独りだけ帰ろうとすんな!」

 良いですよ。高橋さんってば、案外役立たずだったし。

「役立たず言うな!」

 さぁて、勇者もいなくなった事ですし、人間を滅ぼしましょうか。

「止めろ止めろ! 怖い事を言うな!」

「さぁて、私は寝る準備っと」

「寝るんかい!」

「だって、もう夜ですし」

「だから、時間の感覚!」

 そうですね、寝ましょうか。人間を滅ぼすのは、明日の朝って事で。

「だから、滅ぼすな!」  
 
 さて、次回は『高橋さん、日本へ帰る』と『宮本君は?』の二本立てです!

「次回予告をするな!」

「はぁ~あ。粘土くさ!」

「あんたもか! やってられんわ!」