『…… …… …』

『……… … ん………… …………』


『… …… ら……… ……  ……か……』


 バタバタと音の鳴る暗闇で、誰かが囁いている。


『ベン、ドランクモアに行かないか』


 この声はグレッグだ。


『ベン、親父さんが呼んでるぜ?』


 次第に意識が呼び起こされる。


 ――僕は生きている!? 


『ベン、お前ハンナに惚れたんだろ? この退屈な町にはいないタイプの女だもんな』


『ベン、ベン……』