こんな騒動もしつつ、俺達は農場を抜け、少し奥へ進んだ先にある横並びの施設に通りがかる。
「これなんですか?」
「魔功炉」
「これが噂のはひふへほ!」
言論統制……。
この先には魔導研究所が存在する。
生物合成実験場に比べてら相当にマシだ。電子錠でテトラしか入れないから中がどうなってるかしらんけどな。
「その隣は……」
「重力訓練棟だな」
「なんですかそれ!?」
せっかくだし、彼女に顔を出しておこうか。
導力で動く自動扉が挨拶替わりに横開きとなり中に入る。
重力訓練棟は大きな作りとなっており、中央にソファが置かれた休憩場がある。
「あれ? ロード。どうしたの」
そこにいたのはマリヴェラだった。
「マリヴェラさん、こんにちは!」
「あらミナさんね。こんにちは。そう、今日からここに来るだったわね」
「宜しくお願いします」
ミナさんは夜はトラッタの街のホテルに滞在するのでここへ来るのは日中だけとなる。
トラブルが発生すればその限りではないが。
「このはひふへほはなんなんですか?」
「はひふへほ!?」
「ああ、マリヴェラ。気にしないでやってくれ」
後で説明するとしよう。
重力訓練室の四方20アメル(メートル)ほどの室内訓練場が2部屋備えられている。。
中央の端末を操作をすることでなんと1~10倍まで部屋の重力を魔法効果で操ることができるようになるのだ。
俺が短期間で戦場に出られるようになったのはここでフィロと訓練したからである。
「1人で訓練してたのか?」
「戦いが近いって話だから少しでもね」
「魔王様は総大将とから基本的には前にも出ないぞ」
「だけど私が死んだら負けなんでしょ? ……私が死んでもいいの?」
それは絶対嫌だ。
初めて会ったあの時から意地でもマリヴェラだけは守り抜くと誓った。
それが勇者パーティに所属していた俺の贖罪なのだから……。
マリヴェラには死んでほしくないから……ここは頷くしかなさそうだ。
「分かったよ。でも無理しないようにな」
「大丈夫よ、子供じゃないんだし。今日のノルマ終わったら食堂に戻るわ」
マリヴェラはにこりとミナさんに向けて微笑む。
「ミナさん、甘いものは好き?」
「はい! 大好きです」
「歓迎のお祝いにホットケーキ焼いてあげるわ」
「あ、ありがとうございます」
マリヴェラと分かれて、次の施設へと歩き出す。
「マリヴェラさんはとても綺麗でお優しいお方ですね」
「そうだな。子供達にとって最愛のママだとは思うよ」
恐怖の象徴でもあるけどな。
「私、母と仲が良いのですぐに会える所にいてくれるのは羨ましく感じます」
「そうか……。年下から母親を扱いされることはすごく喜ぶから読んであげるといいさ」
「分かりました」
「ただ……年寄り扱いすると地獄を見るから気をつけるようにね」
「……やっぱり止めておきます」
重力訓練棟より少し歩いた先に工房兼武器貯蔵庫が見えてきた。
ミナさんが興味を示したので寄ることにした。
そうここはフィロメーナ工房。
レンガ作りで監視室や重力訓練棟に比べると馴染みやすい場所だ。
「ひっ!」
工房に入ると剣、刀、斧、槍、矢、杖、銃などがこちらに向けられて置かれていた。
鋭い刃先にミナさんは縮こまる。
「す、すごく鋭いですね」
「そうです」
中から現れたのは大太刀に頬ずりする狂気を含んだ女。
「鋭い刃先を見ると心が落ちつかせる鎮静薬です。大人の嗜みですね」
「フィロ、あまり怖がらせないようにな」
「は~い」
フィロメーナは《剣神》という名で通っているが、実際はあらゆる武器を使いこなすことができる武器マスターでもある。
剣で戦うことが多いが斧、槍、銃、魔法だって使いこなすことが可能なのだ。
俺がしつけスキルであらゆる武器種の使い方を教え込んだのがよかったようだ。
だがフィロの能力に武器が追いついてこなくなった。
そこでフィロは鍛冶スキルを習得し、自分で武器を作り始めたのである。
ここはそのための工房だ。
「パパの精霊剣も鍛え直しておきましたよ」
「悪いな。自分でもできるんだがフィロに任せてしまうな」
「しょうがないですねぇ。今度ベッドで私を鍛え直してくださいね」
「それは遠慮被る」
「あ、あの」
ミナさんが工房内の装飾物に指をさしす。
大鎧を着た武者の飾り物だ。
武者にはフィロ特製の武器を持たせており、かなりの迫力を誇る。
「今、この武者動いてなかったですか?」
そんなオバケチックなことを……。
「さぁ、どうでしょうね」
不適に笑みを浮かべるフィロ。
後日、この件で大騒ぎなることを今の俺は知らない。
「これなんですか?」
「魔功炉」
「これが噂のはひふへほ!」
言論統制……。
この先には魔導研究所が存在する。
生物合成実験場に比べてら相当にマシだ。電子錠でテトラしか入れないから中がどうなってるかしらんけどな。
「その隣は……」
「重力訓練棟だな」
「なんですかそれ!?」
せっかくだし、彼女に顔を出しておこうか。
導力で動く自動扉が挨拶替わりに横開きとなり中に入る。
重力訓練棟は大きな作りとなっており、中央にソファが置かれた休憩場がある。
「あれ? ロード。どうしたの」
そこにいたのはマリヴェラだった。
「マリヴェラさん、こんにちは!」
「あらミナさんね。こんにちは。そう、今日からここに来るだったわね」
「宜しくお願いします」
ミナさんは夜はトラッタの街のホテルに滞在するのでここへ来るのは日中だけとなる。
トラブルが発生すればその限りではないが。
「このはひふへほはなんなんですか?」
「はひふへほ!?」
「ああ、マリヴェラ。気にしないでやってくれ」
後で説明するとしよう。
重力訓練室の四方20アメル(メートル)ほどの室内訓練場が2部屋備えられている。。
中央の端末を操作をすることでなんと1~10倍まで部屋の重力を魔法効果で操ることができるようになるのだ。
俺が短期間で戦場に出られるようになったのはここでフィロと訓練したからである。
「1人で訓練してたのか?」
「戦いが近いって話だから少しでもね」
「魔王様は総大将とから基本的には前にも出ないぞ」
「だけど私が死んだら負けなんでしょ? ……私が死んでもいいの?」
それは絶対嫌だ。
初めて会ったあの時から意地でもマリヴェラだけは守り抜くと誓った。
それが勇者パーティに所属していた俺の贖罪なのだから……。
マリヴェラには死んでほしくないから……ここは頷くしかなさそうだ。
「分かったよ。でも無理しないようにな」
「大丈夫よ、子供じゃないんだし。今日のノルマ終わったら食堂に戻るわ」
マリヴェラはにこりとミナさんに向けて微笑む。
「ミナさん、甘いものは好き?」
「はい! 大好きです」
「歓迎のお祝いにホットケーキ焼いてあげるわ」
「あ、ありがとうございます」
マリヴェラと分かれて、次の施設へと歩き出す。
「マリヴェラさんはとても綺麗でお優しいお方ですね」
「そうだな。子供達にとって最愛のママだとは思うよ」
恐怖の象徴でもあるけどな。
「私、母と仲が良いのですぐに会える所にいてくれるのは羨ましく感じます」
「そうか……。年下から母親を扱いされることはすごく喜ぶから読んであげるといいさ」
「分かりました」
「ただ……年寄り扱いすると地獄を見るから気をつけるようにね」
「……やっぱり止めておきます」
重力訓練棟より少し歩いた先に工房兼武器貯蔵庫が見えてきた。
ミナさんが興味を示したので寄ることにした。
そうここはフィロメーナ工房。
レンガ作りで監視室や重力訓練棟に比べると馴染みやすい場所だ。
「ひっ!」
工房に入ると剣、刀、斧、槍、矢、杖、銃などがこちらに向けられて置かれていた。
鋭い刃先にミナさんは縮こまる。
「す、すごく鋭いですね」
「そうです」
中から現れたのは大太刀に頬ずりする狂気を含んだ女。
「鋭い刃先を見ると心が落ちつかせる鎮静薬です。大人の嗜みですね」
「フィロ、あまり怖がらせないようにな」
「は~い」
フィロメーナは《剣神》という名で通っているが、実際はあらゆる武器を使いこなすことができる武器マスターでもある。
剣で戦うことが多いが斧、槍、銃、魔法だって使いこなすことが可能なのだ。
俺がしつけスキルであらゆる武器種の使い方を教え込んだのがよかったようだ。
だがフィロの能力に武器が追いついてこなくなった。
そこでフィロは鍛冶スキルを習得し、自分で武器を作り始めたのである。
ここはそのための工房だ。
「パパの精霊剣も鍛え直しておきましたよ」
「悪いな。自分でもできるんだがフィロに任せてしまうな」
「しょうがないですねぇ。今度ベッドで私を鍛え直してくださいね」
「それは遠慮被る」
「あ、あの」
ミナさんが工房内の装飾物に指をさしす。
大鎧を着た武者の飾り物だ。
武者にはフィロ特製の武器を持たせており、かなりの迫力を誇る。
「今、この武者動いてなかったですか?」
そんなオバケチックなことを……。
「さぁ、どうでしょうね」
不適に笑みを浮かべるフィロ。
後日、この件で大騒ぎなることを今の俺は知らない。