「こいつはたまげたな」
「ええ……びっくりしたわ」
俺とマリヴェラ帝都セオトスにあるドナルース宮殿に来ている。
宮殿ということなので当然帝国皇族や上級貴族もここに住んでいるのは間違いない。
帝国政府の政治機関もここにあるため普段、アルヴァンもこの中に住んでいると聞いている。
ドナルース宮殿は一般公開されている区画とお勤めの人しか入れない区画、皇族、要人しか入れない区画があり、とにかく広い。
34年も生きていれば1度くらいは郊外学習ということで子供達と一般公開されている区画に入ったことはあるが、今回は普段入れない行政区画に入ることになった。
帝国の歴史は長く、この宮殿が出来たのも200年以上昔だと言われている。
ガラスのように磨かれた床に帝国国旗が壁に至る所に立てかけられ、巨大なシャンデリアが辺りを照らす。
行政区画は写真でしか見たことないので……こうやって見ると観光名所の1つの一般区画と違って見えるな。
「魔王国もこんな感じで作り替えた方がいいのかしら」
「住みにくいだけだろ……」
胸に来客者バッジを付けて、指示された場所で俺達は待つことにした。
今回の目的は度重なる帝国に対しての栄誉に魔王様が皇帝栄誉勲章の授与をされることになった。
魔王エストランデに勲章を与えて、帝国国民に正義の英雄であることをアピールということである。
そこまで大きな事件は解決していないが全部アルヴァンの手のひらで動いており、この勲章も本当に出来レースである。
アルヴァンと若き皇帝陛下は強い絆で結ばれていると聞いたことがある。
ニュースとかで見たことはあるけど、実際に会うのは初めてだから楽しみだな。
「なんかさっきからじろじろ見られるのよね……」
「そうか?」
「うん。私のことを見たことあるって感じ。……実は魔王ってバレてるとかないよね?」
「バレてたらもっとトラッタの街で騒ぎになってるだろ。マリヴェラが美人だから見惚れているだけじゃないか」
「も、もう! 心にも無いこと言うんだから!」
「いや、ちゃんと美人だと思ってるぞ」
「ふん、本当に心に想っていたら躊躇するもん!」
「マリヴェラ様にロード様ですね」
「はぁい!」
マリヴェラの声が裏返る。
「ようこそドナルース宮殿へおいでくださいました」
俺とマリヴェラの前に現れたのは2人の女の子だった。
マリヴェラほどの身長のびしっとした真面目そうな女の子とテトラをもう少しだけ高くした温和な顔立ちの女の子。
2人とも美人さんだな……。ウチの子達に決して負けていない美しさを持っている。
茶を基調とした行政官の制服を着ていることからこの宮殿の職員なのは間違いない。
「初めまして、ライナ・メイソンと申します。アルヴァン様の摂政副官を務めております」
「同じくミナ・シルベットと言います。同じくアルヴァン様の摂政副官を務めています!」
ライナさんにミナさんか。
アルヴァンの野郎、かわいい副官をつけてるじゃないか。羨ましいことだ。
そういえば摂政になってから。非常に優秀な女性の秘書官がついたと手紙で言っていたな。
メイソン家は子爵家じゃなかったっけ。いいところのお嬢様とはさすがに人材も優秀だ。
ライナさんは金髪のミディアムヘアーの女の子。ミナさんはやや白めの金髪、プラチナブロンドと言うんだったか……?
セミロングの髪をした子だ。
アルヴァンの元へ連れていってくれるようで2人の後を追う。
「お二人はいつからアルヴァンの秘書をしているんだ?」
「ライナちゃんが2年前、私が1年前になるんです!」
「もうミナ。お客様の前で!」
「いいですよ。私もこの人も堅苦しいのは苦手なので」
「申し訳ありません……」
「ありがとうございます!」
なるほど……2人はそこそこ仲良しのように見える。
「私はアルヴァン様が17の頃から仕えさせて頂いて……よくして頂いています
ライナさんが美しく笑みを浮かべる。17から2年ってことはアルヴァンと同い年ってことか。
「ミナさんも同じくらいなのか?」
「はい! 私とライナちゃんは幼馴染なんですよ~! 憧れのアルヴァン様にお仕えできて嬉しいです!」
「なるほどアルヴァンの嫁候補ね」
マリヴェラがにやりとしている。そのためにマザコンを何とかしないといけないけどな……。
ん? ライナさんの胸にバッジがついているな。ん!? あれって帝国で一番難しいと言われるブラウエル貴族学校の主席卒業者に渡されるバッチじゃないか。
「ライナさん、ブラウエル大学の主席卒業者なのか? すごいな」
ブラウエル皇帝陛下の姓と同じ名前だから。帝国内では当然トップ。全世界でトップ3に入る有名な貴族学校だ。
雑誌で見たことだけですがまさかこの目で見ることになるとは。
貴族学校とはお貴族様だけが入学できる学校で庶民の俺達には縁がない所だ。
「ありがとうございます。でも大したことはありませんよ」
「そんな謙遜しちゃ駄目ですよ。主席なんて普通じゃ達成できないわよ」
「本当にそうなのです。もしアルヴァン様が貴族学校に入られていたらきっと私は次席でしたから」
少しの謙遜もない事実のように話をする。
確かにアルヴァンは昔から頭の良い子だったが、この子にそこまで言わせるほど実績をあげているんだな。
「この実績を経て、摂政副官になることができたので……そこは誇りたいですね」
自慢の息子が褒められてるようでうれしいな。
「そういう意味ではミナさんはどうなんだ?」
「あ、私は貴族じゃないんです。お父さんがライナちゃんのお父さんと知り合いで」
「それでどうして副官になれたのかしら?」
「私がアルヴァン様に推薦したんです。この子は生まれつきユニークスキルを持っているので」
なるほどな。片方は貴族学校を首席で卒業するほどの才女。
もう片方は世界でも数少ないユニークスキルの所持者か。おそらくアルヴァンの政務に実用的なスキルなんだろう。
「あなた方から見てアルヴァンの印象を聞かせて頂けませんか? ママとして気になるのです」
マリヴェラが食い込んできたぞ。
是が非でもアルヴァンの妻候補にしたいと思っているのかもしれない
「え、アルヴァン様の印象ですか……。そうですね」
「うぅ……何だか照れちゃいます」
ライナさんもミナさんも顔を紅くさせる。これは2人ともラブってやつなのか。
おっさんの俺には眩しい感情だ。
「アルヴァン様はお優しい人です。立場的に私腹を肥やすことに使ってもおかしくないのに皇帝陛下のため、帝国のため、世界のために命を削って働いておられます」
ライナさんは思い出すように語る。
ふむ、やはり側にいるこの子達からもそう見えるのか。
今は帝国は僕のおもちゃだと言っていたが実際、前皇帝陛下の時代ガトラン帝国は経済は混乱し、衰退していった。
それをアルヴァンが政治を行うことで景気は右肩上がりとしたのだ。
貴族社会のこの帝国においてここまで立て直すのは並大抵のことではなかったと想う。
「帝国中の孤児院へ視察へ行ったり、予算を整えたりとあの方こそ私は英雄だと思っています」
ミナさんが続く。
「そんなアルヴァン様を悪く言う貴族様も多いのですが、消して負けず、弱音を吐かず、弱き者の味方になってくれるんです!」
さらにライナさんが続いた。
「私は副官になるまで、恥ずかしながら民の暮らしなど考えたこともありませんでした。でもアルヴァン様は私の世界を変えて頂き、重宝してくださるのです」
「ふーんであなた達はアルヴァンが好きなのね」
「はい!」「はい」
マリヴェラの言葉で二人の副官は顔を赤くする。
「えっと……うぅ」
見事なタイミングで差し込んだマリヴェラの言葉に若い女の子達は顔を紅くしてしてしまう。
やれやれ、近所のおばさんみたいな切り口してんぞ。言葉には出せないけど……。
「アルヴァン様はライナちゃんみたいなミス帝国に選ばれるような女の子の方がいいと思います」
「何を言ってるの! それを言うならユニークスキルの持つあなたの方が代わりがいないわけだし……」
謙遜してお互いを差し出す2人。
幼馴染と言うだけあってお互いをよく理解しているようだ。
ミス帝国は帝国人のみが参加できる女性の美しさを表彰するコンテスト。
ライナさんならそれに選ばれてもおかしくはない。もちろんミナさんも充分可愛らしい。
「お疲れ様です!」
気付けばアルヴァンの執務室の前まで来ていた。護衛なのか男の兵士が扉の前にいる。
挨拶をされたが視線をマリヴェラに行っているようにも見える。言うとおり何かあるのか?
「あ、あと」
「はい?」
「マリヴェラ様は……アルヴァン様のことを異性として見ていないんですよね?」
俺がフィロ達、子供達のアプローチをまったく異に返さないのと同じでマリヴェラもまた子供達を子供と見ている。
「そうね。私は年上かつ茶髪で背が高くて体がっしり眼で笑顔が素敵なナイスガイにしか興味ないから」
「そんなすごいやつがどこにいるんだよ……」
「マリヴェラ様も苦労されているのですね」
「大変ですぅ」
あるぇ? 若者達がマリヴェラを理解しているぞ?
まぁいい。
しかしなぜこのタイミングでマリヴェラの好意を確認したのだろう。
不思議に思っている内にライナさんは執務室をノックする。その返答としてアルヴァンの入ってくれという言葉が聞こえてきた。
執務室の扉が開き、そこで見た光景。
「ヒイイイイィィ!」
マリヴェラが恐ろしいモノを見たかのような悲鳴を上げたのであった。
そりゃそうだ。執務室のいたる所にマリヴェラの等身大ポスターが張られていたのだから。
「ええ……びっくりしたわ」
俺とマリヴェラ帝都セオトスにあるドナルース宮殿に来ている。
宮殿ということなので当然帝国皇族や上級貴族もここに住んでいるのは間違いない。
帝国政府の政治機関もここにあるため普段、アルヴァンもこの中に住んでいると聞いている。
ドナルース宮殿は一般公開されている区画とお勤めの人しか入れない区画、皇族、要人しか入れない区画があり、とにかく広い。
34年も生きていれば1度くらいは郊外学習ということで子供達と一般公開されている区画に入ったことはあるが、今回は普段入れない行政区画に入ることになった。
帝国の歴史は長く、この宮殿が出来たのも200年以上昔だと言われている。
ガラスのように磨かれた床に帝国国旗が壁に至る所に立てかけられ、巨大なシャンデリアが辺りを照らす。
行政区画は写真でしか見たことないので……こうやって見ると観光名所の1つの一般区画と違って見えるな。
「魔王国もこんな感じで作り替えた方がいいのかしら」
「住みにくいだけだろ……」
胸に来客者バッジを付けて、指示された場所で俺達は待つことにした。
今回の目的は度重なる帝国に対しての栄誉に魔王様が皇帝栄誉勲章の授与をされることになった。
魔王エストランデに勲章を与えて、帝国国民に正義の英雄であることをアピールということである。
そこまで大きな事件は解決していないが全部アルヴァンの手のひらで動いており、この勲章も本当に出来レースである。
アルヴァンと若き皇帝陛下は強い絆で結ばれていると聞いたことがある。
ニュースとかで見たことはあるけど、実際に会うのは初めてだから楽しみだな。
「なんかさっきからじろじろ見られるのよね……」
「そうか?」
「うん。私のことを見たことあるって感じ。……実は魔王ってバレてるとかないよね?」
「バレてたらもっとトラッタの街で騒ぎになってるだろ。マリヴェラが美人だから見惚れているだけじゃないか」
「も、もう! 心にも無いこと言うんだから!」
「いや、ちゃんと美人だと思ってるぞ」
「ふん、本当に心に想っていたら躊躇するもん!」
「マリヴェラ様にロード様ですね」
「はぁい!」
マリヴェラの声が裏返る。
「ようこそドナルース宮殿へおいでくださいました」
俺とマリヴェラの前に現れたのは2人の女の子だった。
マリヴェラほどの身長のびしっとした真面目そうな女の子とテトラをもう少しだけ高くした温和な顔立ちの女の子。
2人とも美人さんだな……。ウチの子達に決して負けていない美しさを持っている。
茶を基調とした行政官の制服を着ていることからこの宮殿の職員なのは間違いない。
「初めまして、ライナ・メイソンと申します。アルヴァン様の摂政副官を務めております」
「同じくミナ・シルベットと言います。同じくアルヴァン様の摂政副官を務めています!」
ライナさんにミナさんか。
アルヴァンの野郎、かわいい副官をつけてるじゃないか。羨ましいことだ。
そういえば摂政になってから。非常に優秀な女性の秘書官がついたと手紙で言っていたな。
メイソン家は子爵家じゃなかったっけ。いいところのお嬢様とはさすがに人材も優秀だ。
ライナさんは金髪のミディアムヘアーの女の子。ミナさんはやや白めの金髪、プラチナブロンドと言うんだったか……?
セミロングの髪をした子だ。
アルヴァンの元へ連れていってくれるようで2人の後を追う。
「お二人はいつからアルヴァンの秘書をしているんだ?」
「ライナちゃんが2年前、私が1年前になるんです!」
「もうミナ。お客様の前で!」
「いいですよ。私もこの人も堅苦しいのは苦手なので」
「申し訳ありません……」
「ありがとうございます!」
なるほど……2人はそこそこ仲良しのように見える。
「私はアルヴァン様が17の頃から仕えさせて頂いて……よくして頂いています
ライナさんが美しく笑みを浮かべる。17から2年ってことはアルヴァンと同い年ってことか。
「ミナさんも同じくらいなのか?」
「はい! 私とライナちゃんは幼馴染なんですよ~! 憧れのアルヴァン様にお仕えできて嬉しいです!」
「なるほどアルヴァンの嫁候補ね」
マリヴェラがにやりとしている。そのためにマザコンを何とかしないといけないけどな……。
ん? ライナさんの胸にバッジがついているな。ん!? あれって帝国で一番難しいと言われるブラウエル貴族学校の主席卒業者に渡されるバッチじゃないか。
「ライナさん、ブラウエル大学の主席卒業者なのか? すごいな」
ブラウエル皇帝陛下の姓と同じ名前だから。帝国内では当然トップ。全世界でトップ3に入る有名な貴族学校だ。
雑誌で見たことだけですがまさかこの目で見ることになるとは。
貴族学校とはお貴族様だけが入学できる学校で庶民の俺達には縁がない所だ。
「ありがとうございます。でも大したことはありませんよ」
「そんな謙遜しちゃ駄目ですよ。主席なんて普通じゃ達成できないわよ」
「本当にそうなのです。もしアルヴァン様が貴族学校に入られていたらきっと私は次席でしたから」
少しの謙遜もない事実のように話をする。
確かにアルヴァンは昔から頭の良い子だったが、この子にそこまで言わせるほど実績をあげているんだな。
「この実績を経て、摂政副官になることができたので……そこは誇りたいですね」
自慢の息子が褒められてるようでうれしいな。
「そういう意味ではミナさんはどうなんだ?」
「あ、私は貴族じゃないんです。お父さんがライナちゃんのお父さんと知り合いで」
「それでどうして副官になれたのかしら?」
「私がアルヴァン様に推薦したんです。この子は生まれつきユニークスキルを持っているので」
なるほどな。片方は貴族学校を首席で卒業するほどの才女。
もう片方は世界でも数少ないユニークスキルの所持者か。おそらくアルヴァンの政務に実用的なスキルなんだろう。
「あなた方から見てアルヴァンの印象を聞かせて頂けませんか? ママとして気になるのです」
マリヴェラが食い込んできたぞ。
是が非でもアルヴァンの妻候補にしたいと思っているのかもしれない
「え、アルヴァン様の印象ですか……。そうですね」
「うぅ……何だか照れちゃいます」
ライナさんもミナさんも顔を紅くさせる。これは2人ともラブってやつなのか。
おっさんの俺には眩しい感情だ。
「アルヴァン様はお優しい人です。立場的に私腹を肥やすことに使ってもおかしくないのに皇帝陛下のため、帝国のため、世界のために命を削って働いておられます」
ライナさんは思い出すように語る。
ふむ、やはり側にいるこの子達からもそう見えるのか。
今は帝国は僕のおもちゃだと言っていたが実際、前皇帝陛下の時代ガトラン帝国は経済は混乱し、衰退していった。
それをアルヴァンが政治を行うことで景気は右肩上がりとしたのだ。
貴族社会のこの帝国においてここまで立て直すのは並大抵のことではなかったと想う。
「帝国中の孤児院へ視察へ行ったり、予算を整えたりとあの方こそ私は英雄だと思っています」
ミナさんが続く。
「そんなアルヴァン様を悪く言う貴族様も多いのですが、消して負けず、弱音を吐かず、弱き者の味方になってくれるんです!」
さらにライナさんが続いた。
「私は副官になるまで、恥ずかしながら民の暮らしなど考えたこともありませんでした。でもアルヴァン様は私の世界を変えて頂き、重宝してくださるのです」
「ふーんであなた達はアルヴァンが好きなのね」
「はい!」「はい」
マリヴェラの言葉で二人の副官は顔を赤くする。
「えっと……うぅ」
見事なタイミングで差し込んだマリヴェラの言葉に若い女の子達は顔を紅くしてしてしまう。
やれやれ、近所のおばさんみたいな切り口してんぞ。言葉には出せないけど……。
「アルヴァン様はライナちゃんみたいなミス帝国に選ばれるような女の子の方がいいと思います」
「何を言ってるの! それを言うならユニークスキルの持つあなたの方が代わりがいないわけだし……」
謙遜してお互いを差し出す2人。
幼馴染と言うだけあってお互いをよく理解しているようだ。
ミス帝国は帝国人のみが参加できる女性の美しさを表彰するコンテスト。
ライナさんならそれに選ばれてもおかしくはない。もちろんミナさんも充分可愛らしい。
「お疲れ様です!」
気付けばアルヴァンの執務室の前まで来ていた。護衛なのか男の兵士が扉の前にいる。
挨拶をされたが視線をマリヴェラに行っているようにも見える。言うとおり何かあるのか?
「あ、あと」
「はい?」
「マリヴェラ様は……アルヴァン様のことを異性として見ていないんですよね?」
俺がフィロ達、子供達のアプローチをまったく異に返さないのと同じでマリヴェラもまた子供達を子供と見ている。
「そうね。私は年上かつ茶髪で背が高くて体がっしり眼で笑顔が素敵なナイスガイにしか興味ないから」
「そんなすごいやつがどこにいるんだよ……」
「マリヴェラ様も苦労されているのですね」
「大変ですぅ」
あるぇ? 若者達がマリヴェラを理解しているぞ?
まぁいい。
しかしなぜこのタイミングでマリヴェラの好意を確認したのだろう。
不思議に思っている内にライナさんは執務室をノックする。その返答としてアルヴァンの入ってくれという言葉が聞こえてきた。
執務室の扉が開き、そこで見た光景。
「ヒイイイイィィ!」
マリヴェラが恐ろしいモノを見たかのような悲鳴を上げたのであった。
そりゃそうだ。執務室のいたる所にマリヴェラの等身大ポスターが張られていたのだから。