アルヴァンが帝国政府での仕事を終えて、トラッタの街へ来たので一同集めてミーティングを行う。
ペリルには子供達の人払いをしてもらい、マリヴェラ、アルヴァン、フィロ、テトラ、メリシュを集める。
中央管制室の椅子に座る俺達の中、まとめ役のアルヴァンが立ち上がる。
「ここ最近のパパの活躍で魔英雄ディマスの知名度は大きく上がり、魔王国は善の組織であるという話が帝国中に広まったといっていいだろう」
アルヴァンはテトラに小型端末を操作するよう指示を出す。テトラはカタカタと音を立てて操作し始めた。
端末からモニターに無線で出力させた情報をこちらに見せてくれました。
帝国で大規模に広まっている導力ネット上に反響が書かれており、連日の魔英雄活動で魔王国の評価がうなぎのぼりだ。
ニュースサイトやブログ、SNSなどが存在するが……。
しかしまぁ。
「見事に誉め言葉しか書いてないな。ネットを見れば魔王国が正しいと勘違いしてしまいそうだ」
「悪評価は全て削除させてるからね。魔将軍の活動に支障が出ないように警察、報道全てをコントロールし、徹底的に検閲している」
「私も半信半疑でしたが、情報統制というものはここまで影響力があるものなのですね」
フィロの意見に同調する。アルヴァンの言う工作がなければこの魔英雄活動はごく一部の人しか知ることのない小さなものになっただろう。
ネットや報道を駆使して短期間で帝国中に正義の味方の魔王、魔英雄の印象を広めてしまっていた。
もし、アルヴァンやテトラが敵だったら同じことをしても悪者として情報操作されていたかもしれない。
導力ネットの恐ろしさだな。
「ちょうどいい、そろそろ報道される頃だ」
アルヴァンはテレビを付けて報道チャンネルに合わせました。
「一昨日のインタビューの話が報道に上がってくるはずだ」
「うぐっ!」
マリヴェラは頭を抱え出す。
そう。前の事件の後、帝国政府から魔王に対して勲章授与が決まったため魔王国の幹部一同出席したのだ。
これも言ってしまえば対外へのアピールでしかない。特に魔王が公の場に出たのが初めてだったのでかなり話題になったらしい。
マリヴェラの奴、変なこと言っちゃったと後悔していた。何を言ったのやら。
バラバラにインタビューされたから魔王様がどんな発言をされたか知らないんだよなぁ。
「しかしあの事件の後の手回しはすごかったな。事件の後に政府から勲章の授与、その後、すぐにインタビューだったもんな。あの手回しは当然」
「うん、事前に準備させていたよ。事前に政府や警察に圧力をかけて勲章の準備をさせ、報道に圧力をかけてすぐさま収録させる。報道内容は昨日にチェック済だ。魔王の活動に悪影響の内容は全て報道させない」
「偏向放送よね!」
「僕達が正義だからいいんだよ」
アルヴァン、なんて奴だ。政治の駆け引きなのかもしれないがここまで各機関をコントロールできるものなのだな。
即日の勲章の授与も魔王国の素晴らしさを世間に強調させたいだけなんだろうけど、勘のいい人は気づくのだろうな。でも情報統制の闇に葬られる。
アルヴァンの言う通り授与式後の報道インタビューがモニターに流れ始めた。
参加者はここにいるメンバーである。これで魔英雄活動を行わなかった地域にも魔王国の力を帝国国民及び他国の人間に知らしめることができただろう。
『帝国全土で噂となっている帝国政府から魔王様への勲章の授賞式が昨日行われました。今話題の魔王国とはいったいどういった組織なのでしょう」
帝国報道局のアナウンサーが魔王国についての知見を述べています。
それに応じて報道スタジオのキャスターやゲストも話をしています。俺がこの1,2ヶ月で帝国で行ったことを好意的に説明している。
みんな褒め褒めだな……。全員、金を積まされてるか弱みを握られているんだろうか。
お、昨日の映像が流れ始めた。
『魔王国の方々が出てこられました。さっそく話を聞いてみましょう』
帝国報道局のリポーターが話をかけにいく。最初はアルヴァンだな。
印象付けるために1人ずつ退出するように話していたっけ。あの時はよく分からんかったが1人ずつインタビューさせるつもりだったのかもしれない。
「ねぇ……何であなた達の服はまともなの」
授与式でも気になっていたがアルヴァン、テトラ、フィロ、メリシュは魔王の忠実な使徒ということで白を基調としたお堅い制服を着ていたのであった。男女統一性があり、
男はスーツ風、女は可愛らしくスカートで決めている。
俺の全身鎧はまだいいにしろ。マリヴェラは女王様風な服を着せられているのでつっこみたい気持ちも分かる。
「フィロやテトラもメリシュもみんなかわいい服着てる……。スカートもかわいし」
「そんなことないよ。ママが世界一美しいし、よく似合っている。これ以上の服なんて存在しない」
「アルヴァン、黙りなさい」
「はい」
「何でフィロやテトラ、メリシュは私と同じ服着ないの」
「リーゼならともかく私達にはあの服無理ですって!」
「そもそも胸につっかからないし……」
「ママだから似合うのよ」
「うぅ……納得いかない」
ちらっと女性陣が見られる。
パパだろ、何とかしろって無言の圧力だ。
やぶさかではないが……。
「マリヴェラは魔王様の衣装が一番似合っているぞ。俺は横にいて、すごく安心する」
「そそそそう!? ロードが言うならぁ。まぁいいかな!」
ふぅ……これで衣装に関しては一件落着か。
「なぜだ……なぜ僕も同じことを言ったのに……」
ペリルには子供達の人払いをしてもらい、マリヴェラ、アルヴァン、フィロ、テトラ、メリシュを集める。
中央管制室の椅子に座る俺達の中、まとめ役のアルヴァンが立ち上がる。
「ここ最近のパパの活躍で魔英雄ディマスの知名度は大きく上がり、魔王国は善の組織であるという話が帝国中に広まったといっていいだろう」
アルヴァンはテトラに小型端末を操作するよう指示を出す。テトラはカタカタと音を立てて操作し始めた。
端末からモニターに無線で出力させた情報をこちらに見せてくれました。
帝国で大規模に広まっている導力ネット上に反響が書かれており、連日の魔英雄活動で魔王国の評価がうなぎのぼりだ。
ニュースサイトやブログ、SNSなどが存在するが……。
しかしまぁ。
「見事に誉め言葉しか書いてないな。ネットを見れば魔王国が正しいと勘違いしてしまいそうだ」
「悪評価は全て削除させてるからね。魔将軍の活動に支障が出ないように警察、報道全てをコントロールし、徹底的に検閲している」
「私も半信半疑でしたが、情報統制というものはここまで影響力があるものなのですね」
フィロの意見に同調する。アルヴァンの言う工作がなければこの魔英雄活動はごく一部の人しか知ることのない小さなものになっただろう。
ネットや報道を駆使して短期間で帝国中に正義の味方の魔王、魔英雄の印象を広めてしまっていた。
もし、アルヴァンやテトラが敵だったら同じことをしても悪者として情報操作されていたかもしれない。
導力ネットの恐ろしさだな。
「ちょうどいい、そろそろ報道される頃だ」
アルヴァンはテレビを付けて報道チャンネルに合わせました。
「一昨日のインタビューの話が報道に上がってくるはずだ」
「うぐっ!」
マリヴェラは頭を抱え出す。
そう。前の事件の後、帝国政府から魔王に対して勲章授与が決まったため魔王国の幹部一同出席したのだ。
これも言ってしまえば対外へのアピールでしかない。特に魔王が公の場に出たのが初めてだったのでかなり話題になったらしい。
マリヴェラの奴、変なこと言っちゃったと後悔していた。何を言ったのやら。
バラバラにインタビューされたから魔王様がどんな発言をされたか知らないんだよなぁ。
「しかしあの事件の後の手回しはすごかったな。事件の後に政府から勲章の授与、その後、すぐにインタビューだったもんな。あの手回しは当然」
「うん、事前に準備させていたよ。事前に政府や警察に圧力をかけて勲章の準備をさせ、報道に圧力をかけてすぐさま収録させる。報道内容は昨日にチェック済だ。魔王の活動に悪影響の内容は全て報道させない」
「偏向放送よね!」
「僕達が正義だからいいんだよ」
アルヴァン、なんて奴だ。政治の駆け引きなのかもしれないがここまで各機関をコントロールできるものなのだな。
即日の勲章の授与も魔王国の素晴らしさを世間に強調させたいだけなんだろうけど、勘のいい人は気づくのだろうな。でも情報統制の闇に葬られる。
アルヴァンの言う通り授与式後の報道インタビューがモニターに流れ始めた。
参加者はここにいるメンバーである。これで魔英雄活動を行わなかった地域にも魔王国の力を帝国国民及び他国の人間に知らしめることができただろう。
『帝国全土で噂となっている帝国政府から魔王様への勲章の授賞式が昨日行われました。今話題の魔王国とはいったいどういった組織なのでしょう」
帝国報道局のアナウンサーが魔王国についての知見を述べています。
それに応じて報道スタジオのキャスターやゲストも話をしています。俺がこの1,2ヶ月で帝国で行ったことを好意的に説明している。
みんな褒め褒めだな……。全員、金を積まされてるか弱みを握られているんだろうか。
お、昨日の映像が流れ始めた。
『魔王国の方々が出てこられました。さっそく話を聞いてみましょう』
帝国報道局のリポーターが話をかけにいく。最初はアルヴァンだな。
印象付けるために1人ずつ退出するように話していたっけ。あの時はよく分からんかったが1人ずつインタビューさせるつもりだったのかもしれない。
「ねぇ……何であなた達の服はまともなの」
授与式でも気になっていたがアルヴァン、テトラ、フィロ、メリシュは魔王の忠実な使徒ということで白を基調としたお堅い制服を着ていたのであった。男女統一性があり、
男はスーツ風、女は可愛らしくスカートで決めている。
俺の全身鎧はまだいいにしろ。マリヴェラは女王様風な服を着せられているのでつっこみたい気持ちも分かる。
「フィロやテトラもメリシュもみんなかわいい服着てる……。スカートもかわいし」
「そんなことないよ。ママが世界一美しいし、よく似合っている。これ以上の服なんて存在しない」
「アルヴァン、黙りなさい」
「はい」
「何でフィロやテトラ、メリシュは私と同じ服着ないの」
「リーゼならともかく私達にはあの服無理ですって!」
「そもそも胸につっかからないし……」
「ママだから似合うのよ」
「うぅ……納得いかない」
ちらっと女性陣が見られる。
パパだろ、何とかしろって無言の圧力だ。
やぶさかではないが……。
「マリヴェラは魔王様の衣装が一番似合っているぞ。俺は横にいて、すごく安心する」
「そそそそう!? ロードが言うならぁ。まぁいいかな!」
ふぅ……これで衣装に関しては一件落着か。
「なぜだ……なぜ僕も同じことを言ったのに……」