俺はグート叔父さんの、「ひのきの棒」の攻撃を、二回も見切ってかわした。
「こ、この! よけやがって!」
叔父さんはあわてて、今度は斜めから「ひのきの棒」を振り下ろしてきた!
見える! 見えるぞ!
俺は、今度は叔父さんの「ひのきの棒」を左にかわした。
そして!
カッ
俺は手刀で、叔父さんの「ひのきの棒」をはね飛ばした。「ひのきの棒」は壁に当たり、床に転がった……。俺もどうしてそんなことができたのか、自分でも分からない。
「は? え?」
叔父さんは目を丸くしている。
「き、きさまあっ。俺は去年の王国格闘トーナメント、五十歳以上の部の三位だぞ!」
げ、王国トーナメントの三位か? このおっさん、相当な格闘術の実力者だ!
すると叔父さんは右のパンチで、俺に襲い掛かってきた。
ここだ!
俺はそのパンチをかわした。──と同時に、俺は右拳を突き出していた。
グワシイイッ
その瞬間、すさまじい打撃音がした。
「ぐ、が」
叔父さんの右頬に、俺の右拳が入っていた。相手が向かってきた勢いを利用して、逆に決めるパンチ──右カウンターだ!
グラリ
叔父さんは片膝をついた。
「……なん、だ。おめえ……素人じゃ……ねえな」
俺は、叔父さんの攻撃をかわしたと同時に、自分の拳を前に突き出しただけだ。しかし、それが完全な、見事なカウンター攻撃になってしまった。
じ、自分でも、何がどうなっているのか分からない。
叔父さんは、頬を押さえて片膝を床について、俺をにらんでいる。
俺……どうなったんだ? こんな屈強な男を、ダウンさせちまった!
俺みたいな引きこもりが?
「ひいいいーっ! 怖い!」
アシュリーがベッドの上で、悲鳴をあげる。まあ、しゃあない。こんな部屋の中で大激闘だ。俺だって驚いている。
叔父さんはニヤリと笑い、両手をギチッと構えた。
「やる……じゃねえかよ、コ……コソ泥」
完全に戦闘モードだ。
やばい。
叔父さんは素早く、右手で俺のシャツの長袖を掴んだ。
俺は直感で「このまま背負われたら、投げられる!」と感じた。
こ、この技は、本で見たことがある投げ技だ。叔父さんは、本格的な「投げ技」で、俺を仕留めにきた!
結構広い部屋だが、投げられたら壁に叩きつけられるぞ!
「くっ!」
俺は素早く、叔父さんの手を振りほどいた。しかし、叔父さんも素早い。今度は左手で俺の服を掴みにかかる。
「このコソ泥野郎~!」
叔父さんは声を上げ、俺の服を掴んだ。だから、誤解だって! しかし、俺はそのスキを見逃さなかった。こういった接近戦の場合は──!
ガシイイッ
俺は、叔父さんの頬に、自分の右肘を叩き込んでいた。
「ガ、フ」
叔父さんは目を丸くして、よろけた。
「きゃああっ!」
アシュリーはまたしても声を上げる。
「だ、だまれやっ! ガキが!」
バキイッ
グート叔父さんは、アシュリーが座っているベッドを足で思いきり蹴っ飛ばした。アシュリーはまた、「ひいっ!」と声を上げた。
叔父さんはイライラして叫んだ。しかし、ヤツの体力も限界に近づいている。
一方──俺は怒りを感じた。
(この野郎……叔父か何かしらねえが、女の子をいじめるなんてゆるせねえ!)
俺の体が、またしても勝手に動いた。
ゆらり。グート叔父さんはフラフラと俺の方に近づく。もう、なりふり構わない、という表情だ。捨て身戦法だろう。こういうのが一番怖い!
「ぶっとばしてやらああ!」
叔父さんは、最後の力を振り絞って、左の大振りのパンチ──左フックを繰り出してきた。
こ、拳のひねりも加わった、見事なパンチだ! や、やばい、当たると1メートルは吹っ飛ぶぞ!
しかし──ここだ!
俺は一歩前に出た。そして──。
グワッシャアアア!
もの凄い音がした。
俺の渾身の右パンチ。──右ストレートを、グート叔父さんのアゴに叩き込んでいたのだ。
「あ、が、ご」
叔父さんは今度はついに、床に両ひざをつく。
「お前……何者……グフッ……」
決着──! 俺の勝利だ!
「こ、この! よけやがって!」
叔父さんはあわてて、今度は斜めから「ひのきの棒」を振り下ろしてきた!
見える! 見えるぞ!
俺は、今度は叔父さんの「ひのきの棒」を左にかわした。
そして!
カッ
俺は手刀で、叔父さんの「ひのきの棒」をはね飛ばした。「ひのきの棒」は壁に当たり、床に転がった……。俺もどうしてそんなことができたのか、自分でも分からない。
「は? え?」
叔父さんは目を丸くしている。
「き、きさまあっ。俺は去年の王国格闘トーナメント、五十歳以上の部の三位だぞ!」
げ、王国トーナメントの三位か? このおっさん、相当な格闘術の実力者だ!
すると叔父さんは右のパンチで、俺に襲い掛かってきた。
ここだ!
俺はそのパンチをかわした。──と同時に、俺は右拳を突き出していた。
グワシイイッ
その瞬間、すさまじい打撃音がした。
「ぐ、が」
叔父さんの右頬に、俺の右拳が入っていた。相手が向かってきた勢いを利用して、逆に決めるパンチ──右カウンターだ!
グラリ
叔父さんは片膝をついた。
「……なん、だ。おめえ……素人じゃ……ねえな」
俺は、叔父さんの攻撃をかわしたと同時に、自分の拳を前に突き出しただけだ。しかし、それが完全な、見事なカウンター攻撃になってしまった。
じ、自分でも、何がどうなっているのか分からない。
叔父さんは、頬を押さえて片膝を床について、俺をにらんでいる。
俺……どうなったんだ? こんな屈強な男を、ダウンさせちまった!
俺みたいな引きこもりが?
「ひいいいーっ! 怖い!」
アシュリーがベッドの上で、悲鳴をあげる。まあ、しゃあない。こんな部屋の中で大激闘だ。俺だって驚いている。
叔父さんはニヤリと笑い、両手をギチッと構えた。
「やる……じゃねえかよ、コ……コソ泥」
完全に戦闘モードだ。
やばい。
叔父さんは素早く、右手で俺のシャツの長袖を掴んだ。
俺は直感で「このまま背負われたら、投げられる!」と感じた。
こ、この技は、本で見たことがある投げ技だ。叔父さんは、本格的な「投げ技」で、俺を仕留めにきた!
結構広い部屋だが、投げられたら壁に叩きつけられるぞ!
「くっ!」
俺は素早く、叔父さんの手を振りほどいた。しかし、叔父さんも素早い。今度は左手で俺の服を掴みにかかる。
「このコソ泥野郎~!」
叔父さんは声を上げ、俺の服を掴んだ。だから、誤解だって! しかし、俺はそのスキを見逃さなかった。こういった接近戦の場合は──!
ガシイイッ
俺は、叔父さんの頬に、自分の右肘を叩き込んでいた。
「ガ、フ」
叔父さんは目を丸くして、よろけた。
「きゃああっ!」
アシュリーはまたしても声を上げる。
「だ、だまれやっ! ガキが!」
バキイッ
グート叔父さんは、アシュリーが座っているベッドを足で思いきり蹴っ飛ばした。アシュリーはまた、「ひいっ!」と声を上げた。
叔父さんはイライラして叫んだ。しかし、ヤツの体力も限界に近づいている。
一方──俺は怒りを感じた。
(この野郎……叔父か何かしらねえが、女の子をいじめるなんてゆるせねえ!)
俺の体が、またしても勝手に動いた。
ゆらり。グート叔父さんはフラフラと俺の方に近づく。もう、なりふり構わない、という表情だ。捨て身戦法だろう。こういうのが一番怖い!
「ぶっとばしてやらああ!」
叔父さんは、最後の力を振り絞って、左の大振りのパンチ──左フックを繰り出してきた。
こ、拳のひねりも加わった、見事なパンチだ! や、やばい、当たると1メートルは吹っ飛ぶぞ!
しかし──ここだ!
俺は一歩前に出た。そして──。
グワッシャアアア!
もの凄い音がした。
俺の渾身の右パンチ。──右ストレートを、グート叔父さんのアゴに叩き込んでいたのだ。
「あ、が、ご」
叔父さんは今度はついに、床に両ひざをつく。
「お前……何者……グフッ……」
決着──! 俺の勝利だ!