俺──ゼント・ラージェントと、大勇者ゲルドンの対決は続いている。
俺は得意の──手の平の下部を使った打撃技──掌打で、ゲルドンのアゴを打ち抜き、ダウンを奪った。
しかし、ゲルドンはやがて立ち上がった。顔は笑っている。な、何だ、その余裕は?
その時、俺は目を丸くした。
何と、ゲルドンの体から、闇色のもやのようなものが発生して見えたのだ。
何だ? これって、セバスチャンがサユリ戦で見せたオーラと同じ……!
ゲルドンは物凄い勢いで、俺の方に走り込んでくる! その時だ。ゲルドンの背後に、巨体の戦士が見えた。顔は青白く、体が透明だ! な、何だ、ありゃ?
「おおおおらああっ!」
ドガアッ
ゲルドンは前蹴り一閃、俺を無造作に蹴り飛ばした。
俺は、4メートルは吹っ飛んだ。リングの左から右まで、飛ばされた。
「くっ」
すんでのところで、腹の急所を防いでいたので、たいしたダメージはない。
しかし、何だ? このゲルドンの力は?
「だらああああっ!」
ゲルドンの大振りなパンチ!
うっ……? 一瞬、まるで亡者のような恐ろしい顔をした屈強な男が、ゲルドンの背後に見えた! さっきと同じような現象だ!
俺は危機を察知し、両手で顔を防ぐ!
ガスウウウッ
また俺は、3メートルは吹っ飛ばされる。しかし、うまく防いだので、ダメージは軽減できた。
おや? ゲルドンは目を丸くしている。
「おい、てめぇ……何で倒れねーんだよ……。お前、本当にゼントなのか? あのクソ弱いゼントなのか?」
ゲルドンはパワーを見せつけているが、俺の防御に驚いているようだ。確かに、俺は防御をして急所を防いだから、ダメージは最小限だ。
しかし、あまりのゲルドンのパワーに押され、手はしびれているが……。
(ゲルドンの、この力は、一体何だ?)
「ゲルドン、あなた! 魔法精製薬を浴びたわね!」
リング外の俺のセコンド──ミランダさんの声がした。
「あなたの力の根源はもしかして……戦闘民族、サーガ族の生き血薬!」
ゲルドンはニヤリと笑った。
「そうだよ、ミランダ先生よ。俺は『サーガ族の生き血薬』を浴びた。だから、俺の背後には、サーガ族の亡霊が集まってきて、取り憑いている!」
せ、戦闘民族の亡霊? マジか? 本当に悪魔に魂を売ったのか、ゲルドン!
──ブオン!
隙をついた、ゲルドンの右アッパー!
俺は転がって避ける。
またしても、ゲルドンの背後に、長いアゴヒゲの巨体の亡者が見えた。
こいつも亡霊か! くそっ、ゲルドンにはたくさんの亡霊の味方がいるってことか!
「ゼント君! 打撃に付き合うと危ない! だから、別の方法で闘いなさい!」
ミランダ先生が声を上げた。
打撃以外の別の方法! となれば!
俺は隙をついて、ゲルドンの左足に突進していた。──左足を掴んだ!
「うっ?」
ゲルドンはうめいた。
せえのっ!
俺はゲルドンの左足を抱え、自分の肩と腕を使って、ゲルドンを倒そうとした。ゲルドンはふんばる……!
しかし、俺はこの片足タックルを練習しまくっていたのだ!
ドサッ
ゲルドンはバランスを崩し、リングに座り込んだ。
「くっ、ちきしょう! ゼント、お前、組み技までやれるのか!」
ゲルドンは声を上げたが、そこからの俺の行動は素早かった。
ゲルドンの後ろに回り込み、座り込んだままで──!
ゲルドンの首に手を回した。再びチョークスリーパー、裸締めだ! 相手の頸動脈を締める!
「ぐうおおおおおおお~!」
何と、ゲルドンは俺が首に腕をまわしているのに、強引に立ち上がった。俺をおぶさりながら、ブンブンと両腕を振り回す。
しかし、俺は粘っこいんだよ!
ガスッ
ガスッ
ガスッ
俺はゲルドンの頭に、何度も肘を叩き落した。
「ぐっ!」
打ちどころが悪かったのか、ゲルドンは、崩れ落ちた!
俺とゲルドンはうつ伏せ状態だ。俺はゲルドンの背中に乗っている状態になった。
「背面馬乗り! よし、やったわね!」
ミランダ先生が歓声を上げた。背面馬乗りは、馬乗り状態と同様に、有利な体勢だ!
ゲルドンはあわてて、俺のチョークスリーパーを封じようと、首をすくめる。
だが、俺は後ろから、ゲルドンの側頭部や頬にパンチを喰らわした。
ガスッ
ゴスッ
ゲスッ
ゲルドンの顔が浮き上がる……そこを!
俺の右腕は蛇のようだった。素早く、ゲルドンの首に巻き付ける!
チョークスリーパー! 裸締め……かかった……ついに!
ぐぐぐぐ……。
「ち、ちくしょう! ゼントォォ! ……お前、何てやつだあああ!」
ゲルドンは頸動脈を締められながら、声を上げていた。
俺は得意の──手の平の下部を使った打撃技──掌打で、ゲルドンのアゴを打ち抜き、ダウンを奪った。
しかし、ゲルドンはやがて立ち上がった。顔は笑っている。な、何だ、その余裕は?
その時、俺は目を丸くした。
何と、ゲルドンの体から、闇色のもやのようなものが発生して見えたのだ。
何だ? これって、セバスチャンがサユリ戦で見せたオーラと同じ……!
ゲルドンは物凄い勢いで、俺の方に走り込んでくる! その時だ。ゲルドンの背後に、巨体の戦士が見えた。顔は青白く、体が透明だ! な、何だ、ありゃ?
「おおおおらああっ!」
ドガアッ
ゲルドンは前蹴り一閃、俺を無造作に蹴り飛ばした。
俺は、4メートルは吹っ飛んだ。リングの左から右まで、飛ばされた。
「くっ」
すんでのところで、腹の急所を防いでいたので、たいしたダメージはない。
しかし、何だ? このゲルドンの力は?
「だらああああっ!」
ゲルドンの大振りなパンチ!
うっ……? 一瞬、まるで亡者のような恐ろしい顔をした屈強な男が、ゲルドンの背後に見えた! さっきと同じような現象だ!
俺は危機を察知し、両手で顔を防ぐ!
ガスウウウッ
また俺は、3メートルは吹っ飛ばされる。しかし、うまく防いだので、ダメージは軽減できた。
おや? ゲルドンは目を丸くしている。
「おい、てめぇ……何で倒れねーんだよ……。お前、本当にゼントなのか? あのクソ弱いゼントなのか?」
ゲルドンはパワーを見せつけているが、俺の防御に驚いているようだ。確かに、俺は防御をして急所を防いだから、ダメージは最小限だ。
しかし、あまりのゲルドンのパワーに押され、手はしびれているが……。
(ゲルドンの、この力は、一体何だ?)
「ゲルドン、あなた! 魔法精製薬を浴びたわね!」
リング外の俺のセコンド──ミランダさんの声がした。
「あなたの力の根源はもしかして……戦闘民族、サーガ族の生き血薬!」
ゲルドンはニヤリと笑った。
「そうだよ、ミランダ先生よ。俺は『サーガ族の生き血薬』を浴びた。だから、俺の背後には、サーガ族の亡霊が集まってきて、取り憑いている!」
せ、戦闘民族の亡霊? マジか? 本当に悪魔に魂を売ったのか、ゲルドン!
──ブオン!
隙をついた、ゲルドンの右アッパー!
俺は転がって避ける。
またしても、ゲルドンの背後に、長いアゴヒゲの巨体の亡者が見えた。
こいつも亡霊か! くそっ、ゲルドンにはたくさんの亡霊の味方がいるってことか!
「ゼント君! 打撃に付き合うと危ない! だから、別の方法で闘いなさい!」
ミランダ先生が声を上げた。
打撃以外の別の方法! となれば!
俺は隙をついて、ゲルドンの左足に突進していた。──左足を掴んだ!
「うっ?」
ゲルドンはうめいた。
せえのっ!
俺はゲルドンの左足を抱え、自分の肩と腕を使って、ゲルドンを倒そうとした。ゲルドンはふんばる……!
しかし、俺はこの片足タックルを練習しまくっていたのだ!
ドサッ
ゲルドンはバランスを崩し、リングに座り込んだ。
「くっ、ちきしょう! ゼント、お前、組み技までやれるのか!」
ゲルドンは声を上げたが、そこからの俺の行動は素早かった。
ゲルドンの後ろに回り込み、座り込んだままで──!
ゲルドンの首に手を回した。再びチョークスリーパー、裸締めだ! 相手の頸動脈を締める!
「ぐうおおおおおおお~!」
何と、ゲルドンは俺が首に腕をまわしているのに、強引に立ち上がった。俺をおぶさりながら、ブンブンと両腕を振り回す。
しかし、俺は粘っこいんだよ!
ガスッ
ガスッ
ガスッ
俺はゲルドンの頭に、何度も肘を叩き落した。
「ぐっ!」
打ちどころが悪かったのか、ゲルドンは、崩れ落ちた!
俺とゲルドンはうつ伏せ状態だ。俺はゲルドンの背中に乗っている状態になった。
「背面馬乗り! よし、やったわね!」
ミランダ先生が歓声を上げた。背面馬乗りは、馬乗り状態と同様に、有利な体勢だ!
ゲルドンはあわてて、俺のチョークスリーパーを封じようと、首をすくめる。
だが、俺は後ろから、ゲルドンの側頭部や頬にパンチを喰らわした。
ガスッ
ゴスッ
ゲスッ
ゲルドンの顔が浮き上がる……そこを!
俺の右腕は蛇のようだった。素早く、ゲルドンの首に巻き付ける!
チョークスリーパー! 裸締め……かかった……ついに!
ぐぐぐぐ……。
「ち、ちくしょう! ゼントォォ! ……お前、何てやつだあああ!」
ゲルドンは頸動脈を締められながら、声を上げていた。