チャラチャラチャン。
スマホのアラームがけたましく鳴り響いて、夢の世界から強制的に現実に戻される。
時間を確認すると八時十分。
これは久々に遅刻かもしれない。
何度スムーズ機能を無視しただろう、、、。
急いで制服に着替え、写真の中の両親におはようを言う。
 両親は数年前に火事で亡くなった。それからずっとマンションの一室で一人暮らし。
朝ご飯?食べてたら遅刻してしまうから今日は抜き。
何時も見ている天気予報など今日は見てる暇などなく、自転車に乗って学校へ向かった。

 チャイムと共に教室に滑り込むと、クラスメイトの全員がこっちを見る。先生は「早く席につきなさい」と呆れている。
席につき、窓の外を見ていると友達の美咲が「昨日、また出たらしいよ」と耳打ちしていきた。
 「何が?」
そう聞くと嬉しそうに「サクリファイス」と言う。
 『サクリファイス』
関東一帯を支配する殺し屋組織。警察では手に負えず、目を瞑っている。だが、一般人には手を出さず、一般人を守っている存在、、、。
依頼さえ貰えば猫探しから殺しまで何でもやるという。
 「黄瀬!聞いているのか!?」
 先生に当てられ、肩が跳ねる。
やばい、右から左だった、、、。黒板には複雑な方程式。
、、、無視しよ。
その後、職員室に呼ばれたのは言うまでもない。