放課後、時雨くんを校舎裏に呼び出し、取り戻しのことを伝える。
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「うん」
心臓の音が聞こえる。緊張しているのが分かる。
大丈夫だと自分に言い聞かせる。
何時も助けられているから、今度は私が兄さまを助けたい。
「兄さま、ちゃんと出来るよ」
『お前がしたいと思ったことをすれば良い』
兄さまはこういう人だ。一歩引いた所から私達を見守っている。
クールで格好良いと思う反面、私の意見を尊重するので、本当の思いを言えていないんじゃないかなって、心配になる。
この世の誰よりも大好きで、敬愛していて、世界中を探しても見付からない、唯一無二の兄さま。
ねぇ、兄さま。知ってる?お母さんから聞いたんだけどね、私と兄さまは小さい頃から似た者同士なんだって。
見た目も鏡写しみたいだから、実の両親でも判別するのは難しかった。着ている服で判別していたから、小さい頃はよく、髪型を少し変えて、お互いの服に着替えて入れ替えっこして遊んでいたよね。
そうしたらお母さん達も友達も、学校の先生だって私と兄さまを間違うの。
誰も、私達を見抜けなかったね。
ねぇ、覚えてる?
小学生の時、学校でハサミが必要になって買いに行った日のこと。兄さまだけお父さんと一緒に先に買って来て、私は後日お母さんと一緒に買いに行ったら、持ち手が同じ色だったんだよね。
それで、どっちがどっちか分からないからって、先生が名前シールを貼ってくれたんだよね。
でも、そんなのいらない!ってシール剥がしちゃって、そしたら兄さまも同じようにして剥がしていた。
「楽しかったね」
『ああ、そうだな』
表情は見えないのに、何故か微笑んでくれていると、そう思った。
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「うん」
心臓の音が聞こえる。緊張しているのが分かる。
大丈夫だと自分に言い聞かせる。
何時も助けられているから、今度は私が兄さまを助けたい。
「兄さま、ちゃんと出来るよ」
『お前がしたいと思ったことをすれば良い』
兄さまはこういう人だ。一歩引いた所から私達を見守っている。
クールで格好良いと思う反面、私の意見を尊重するので、本当の思いを言えていないんじゃないかなって、心配になる。
この世の誰よりも大好きで、敬愛していて、世界中を探しても見付からない、唯一無二の兄さま。
ねぇ、兄さま。知ってる?お母さんから聞いたんだけどね、私と兄さまは小さい頃から似た者同士なんだって。
見た目も鏡写しみたいだから、実の両親でも判別するのは難しかった。着ている服で判別していたから、小さい頃はよく、髪型を少し変えて、お互いの服に着替えて入れ替えっこして遊んでいたよね。
そうしたらお母さん達も友達も、学校の先生だって私と兄さまを間違うの。
誰も、私達を見抜けなかったね。
ねぇ、覚えてる?
小学生の時、学校でハサミが必要になって買いに行った日のこと。兄さまだけお父さんと一緒に先に買って来て、私は後日お母さんと一緒に買いに行ったら、持ち手が同じ色だったんだよね。
それで、どっちがどっちか分からないからって、先生が名前シールを貼ってくれたんだよね。
でも、そんなのいらない!ってシール剥がしちゃって、そしたら兄さまも同じようにして剥がしていた。
「楽しかったね」
『ああ、そうだな』
表情は見えないのに、何故か微笑んでくれていると、そう思った。