兄さまは私にとって強くて、優しくて、格好良くて、憧れで、、、。
私より能力の扱いが上手くて、占いとかも外したことがない、、、そんな相手を私が好きになって良いんだろうか?
 でも、兄さまは私のことが好き。
、、、本当に?
何時も好きとか愛してるとか言っている。今回もその類なのかも。
「兄さまは冗談を言ってるだけじゃ、、、」
『オレがそんなことで嘘を言うと思うか?』
兄さまはそんな嘘をつかないっていうのは分かっている。
 好きという感情。鈴音から恋愛相談を受けた時、モヤモヤした気持ちの正体はこの感情だったんだ。
 でも、兄さまは死者で、私は生者。
「、、、、、、」
 兄さまは昔から私にとって神様みたいな、否、神様よりも特別な存在だった。何時も助けてくれて、暗いのが怖くて泣いていたら手を繋いでくれて、沢山甘やかしてくれた。でも、、、私は何もしてあげられなかった。
 兄さまは私に沢山くれた。それなのに私は何もあげれていない。
色んなことを教えてもらった。
憑き物から沢山守ってもらった。
慰めてくれた、、、。
「私は、兄さまのことが好き、、、?」
そう考えると、胸の苦しみも納得がいく。
 最近、兄さまの好きな餡子餅が勉強机の引き出しの約八割を占めていた。気が付けば兄さまのことばっか考えて、、、その全ての元凶が、兄さまに対する恋心!?
 引き出しを開けると餡子餅。上の段を開けても餡子餅(パック入り)がぎっしり。全て私が兄さまの為に買った物。
 餡子餅は三日後には綺麗になくなっていた。全て兄さまが食べてくれた。
「凍らせたプリンって、美味しいよね」
『真央がそう言うなら美味しいんだろうな』
 二日程凍らせたプリンを約二時間、冷蔵庫に入れると美味しい。
『まぁ、それは一旦置いといて、、、』
「?」
『真央、オレと付き合わねぇか?』
「、、、え?」
、、、付き合う?
つまり私と兄さまが恋人になるということ。
、、、え?
『真央のこと絶対に幸せにする。だから、、、』
「ちょ、、、待って!急展開過ぎて頭が処理しきれない」
 時計を見ると夜の十一時を過ぎていた。
、、、寝よう。
明日にはきっと兄さまも忘れているよね、うん。
「兄さま、おやすみ!」
『あ、おやすみ』
(死者と生者恋愛って良いのかな?、、、兄さまが生きていれば良かった、、、)
明日、鈴音に聞いてみよう。