いや、何だったんだよ。
もう。
らしくもなく悪態をつく。こればかりは許してほしい。

いや、ここまでの急展開になるとは思わなかった。正直、池川と吉川海晴の流れはまだわかるのだが、その後がなんとも安直で物足りない。漫画ではなく現実だから仕方ないのだろうか。

そうやって、土手を歩いていると、向こうからやってくる二人の男女。

池川と、吉川海晴だった。

しかも、私の自転車を押している。そういえば、自転車をあの場においてきてしまっていたことを忘れていた。
痛恨のミスである。

「あ、川野?この自転車、お前のじゃねえ、の…?

 って、え?」

私は無言で池川から自転車を奪い取り、そのままの流れで自転車に乗った。ヘルメットは被る。
不格好だが仕方ない。

そのまま家へ一直線。

嗚呼、馬鹿馬鹿しいことこの上ない。なんて茶番だろう。
コントじゃあるまいし。