全く。意味不明だ。これだから男子という生き物は…。
図書館に行こうと、土手沿いに自転車を走らせる。
一ヶ月前に買ってもらったばかりの新品は、電動ということもあってか楽で軽快な走りだった。
土手の斜面と河川敷の、いかにもな組み合わせ。もちろん、少年野球チームも練習している。
ごくありふれた光景に少々飽き飽きしつつも、感傷に浸る。
「え?」
思わず急ブレーキをかけてしまった。あれは…、池川ではないか。
しかも柄にもなく読書中だ。
学校では中々話しかけるチャンスもなく、最近は吉川海晴と噂になっていることもありトークアプリのメッセージも送れていなかったから、なんだかんだ久しぶりに話しかけるチャンスではないか。こんなところで出会うなんて、運命かも…。
自転車を降りて歩を進める。後ろから話しかけてびっくりさせてやろうか、などと考えていると、声が飛んだ。
「お、池川じゃん。何読んでるの?」
まさかの吉川海晴である。
思わず自転車を倒してしまった。けれど気づかれない。まあ普通、倒れるなら自分の方に倒れるから当然だが。
スタンドを立てて茂みの影から様子をうかがう。
「え、ああ、この前薦めてくれたやつ。読んでみようかと。」
「そっかそっかー。ありがとね~!」
お互いに見つめ合っちゃって…。しばらく沈黙が続く。
でもとても甘い雰囲気で、こちらまであの二人の鼓動が聞こえてくるようだ。頬は赤いし、お互いに両思いなのだということは分かる。
思わず駆け出した。自転車に構っている場合じゃない。
図書館に行こうと、土手沿いに自転車を走らせる。
一ヶ月前に買ってもらったばかりの新品は、電動ということもあってか楽で軽快な走りだった。
土手の斜面と河川敷の、いかにもな組み合わせ。もちろん、少年野球チームも練習している。
ごくありふれた光景に少々飽き飽きしつつも、感傷に浸る。
「え?」
思わず急ブレーキをかけてしまった。あれは…、池川ではないか。
しかも柄にもなく読書中だ。
学校では中々話しかけるチャンスもなく、最近は吉川海晴と噂になっていることもありトークアプリのメッセージも送れていなかったから、なんだかんだ久しぶりに話しかけるチャンスではないか。こんなところで出会うなんて、運命かも…。
自転車を降りて歩を進める。後ろから話しかけてびっくりさせてやろうか、などと考えていると、声が飛んだ。
「お、池川じゃん。何読んでるの?」
まさかの吉川海晴である。
思わず自転車を倒してしまった。けれど気づかれない。まあ普通、倒れるなら自分の方に倒れるから当然だが。
スタンドを立てて茂みの影から様子をうかがう。
「え、ああ、この前薦めてくれたやつ。読んでみようかと。」
「そっかそっかー。ありがとね~!」
お互いに見つめ合っちゃって…。しばらく沈黙が続く。
でもとても甘い雰囲気で、こちらまであの二人の鼓動が聞こえてくるようだ。頬は赤いし、お互いに両思いなのだということは分かる。
思わず駆け出した。自転車に構っている場合じゃない。