どこまでも広がる、透明な青を見ていた。
あれから6年。私は朔の夢を叶えるように、海外で働き始めた。場所は海の見えるところがいいと言って、無理に要望を通してもらった。どれだけ時が経っても、あの出来事が消えるわけじゃないけれど、それでもきっと前に進めているはずだ。私も、みんなも。だから大丈夫。心配しないでね。
そう、青の向こうにいる大切な人に、心の中で伝えた。
「せんせーい!」
元気な声に振り返る。
まだ私の人生は動き出したばかりで、辛いことも苦しいことも、きっと沢山あるけれど。
「はーい!」
でも私は、今を生きるよ。
ずっと未来で、君のいる、青の向こうに辿り着くまで。