「おーい、席に座れー」
先生がそうゆうと前から噂になっていた、転校生の話にみんなが変わった。
「前から言っていたとおり、転校生がやってきます」
噂が当たったせいかみんな盛り上がっていた。
中には「女の子ですか?」とよくわかんないことを言い出すやつもいた。ガラガラという音と共にキラキラと輝く美人の人がいた。
「櫻井優奈です。よろしくお願いします。」
丁寧な挨拶と同時にクラス全体が盛り上がった。女子からは歓声、男子からは「狙っていみようかな」など盛り上がっていた。
でも、僕には関係ない話。なぜなら、クラスで明るい存在でも頼られる存在でもなく、ーいてもいなくても変わらない存在ーだからだ。
なおさら、転校生と仲良くなるなど縁もないし元々人に興味がない。それが僕ー中野裕也ーだ。

それから数日が経った。もう彼女は教室内で大人気で中心の存在になっていった。真逆の存在を改めて感じていた。
放課後、先生に呼ばれ残っていた。教室に戻ると彼女ー櫻井優奈ーだった。
「あっ裕也くん」
急に下の名前で呼ばれたこととドキッとしている自分にびっくりしていた。
「名前覚えているんだね」
当たり前のことを言ってしまったが今の自分にはこれであっている気がする。
「当たり前じゃん、クラスメイトだもん」
当たり前のことだが僕には新鮮なことだった。
「放課後まで残って何してたの?部活入っているようには見えないけど」
急に失礼なことを言われて少し苛立った。
「先生の手伝いしてた。そっちは?」
「勉強してたんだ家に帰ってもすることないし」
「そうなんだ」
早く会話を終わらせたかったあまりこのような会話は慣れていないから
「じゃ、帰るわ」
そう言い帰ろうとした時。ーバタッー聞き慣れない、生々しい音が聞こえた。恐る恐る見て見ると、僕の目線に彼女の姿はなく下を見てみると、倒れている彼女がいた。何が起こっているか理解できないまま、立ち尽くしていた。時間はあっという間にすぎ、体感は5分立ち尽くしていたがすぐ正気に戻った。すぐ救急車を呼びそのまま病院に行った。僕は、初めて倒れている人を見て動揺が激しすぎて彼女と会うのが怖かった。

次の日もその次の日も会いに行けなっかった。
でも、会ってはいけない行けない気がして怖がりながらもいくことにした。やっぱり、病室の扉の前に立つとやはり怖い。会うだけなのことをこんだけ怖がったことは生きてて一度もない。扉を開けるとベットで窓の方を見ている彼女がいた。そこにいる彼女は美しいという言葉が似合うほどだった。
「おっ!裕也くん、あの時は本当にありがとう!」
いつも彼女は想像の真逆にいる、まるで倒れたのを忘れたかのように明るく透き通った声だった。
「大丈夫なの?体調は」
「うん、大丈夫 よくなったよ」少し暗い表情を見せながらも笑顔でこっちを向いた
いつもと違う表情を見た気がして問いかけてみた
「なんかあった?」