「今日も、ばっちり!」
朝から気合を入れている私。
雪野 姫香
いわゆる年齢=彼氏いない歴の25歳
でも、色々頑張って生きてはいます。いつも通りの日常に、いつも通りのルーティーン。姫香はいつもカフェに行くのが楽しみの一つだ。今日は何食べようかなー。などと考えている間にもう着いてしまう。
カランカラン
「いらっしゃいませ」

え?え?ここどこ!?

「あ、すいません間違えましたー!」

「いや、あなたは間違えてないですよ」

え、どういうこと?

「ああ、説明が遅れました。私、吸血鬼のカヤと申します。そして、ここは、異世界です。」

「え、ちょっとまって、なんか情報量多いんだけど。私の平穏な日常は?モーニングルーティーンがあああああ!!!」

「それでは、1から説明いたしますね。」
姫香は、首をぶんぶん縦に振った。すると、カヤの話が始まる。

「まず、あなたのお名前を聞いてもよろしいですか?」
姫香は腰が抜けて立てないが、震える声で答えた。

「ゆっ、雪野 姫香」
ああ、やっぱり。
と、うなずきながらカヤは話していった。

「ここのカフェは、人手が足りないのです。そこで、女神様が人間世界から相性の合う人を連れてきてもらったんです。そして、姫香さんは白雪姫なので…」

「はい!質問!なんで、私が白雪姫なの!」

「雪野さんのおばあさまが白雪姫なのですよ。」

「お、おばあちゃんが白雪姫ぇ~?う、嘘だ」

「いや、本当ですよ。ほら」
そういって店の奥に入ると、何やら写真を持った来た。
「ここの店は、女神様が白雪姫推しなので雪野さん方をつれてきたのかと...」
私が写真を見ると、そこにはおばあちゃんの若い頃が映っていた。
「ということなので、雪野さんにはここで働いてもらいます。」

「私は、現実世界に戻れないの...?」

「まあ、そういうことになります」

私は、少し悲しかったが休みもろくに取れないような職場には戻りたくなかった。
それに、御伽の世界の住人になれるなんて小さい頃にも思わなかったな。

「さあ、白雪姫。こちらへ」
カヤがそう言うと、手を差し出してきた。
本当の姫だと理解させるように。
「ここが、今日から白雪姫の家となります。それで、これはカフェの制服です。明日からこれを着て出勤してください。」
そう言うと、カフェの方へ戻っていった。
あ、と言ってこちらを見てくる。
「それと、制服着てみてください。」
なぜか、顔を背け言ったが気にしないでおく。
「あ、はい、分かりました。」

んーなんかしっくりこない。
こんな、スカートなんて着ると思っていなかった。ミニスカート。高校時代でも着たことはない。
黄色のスカートに、青のブラウス赤いリボンと「白雪姫」そのものだ。
こんな服が果たして自分には似合うのだろうかと考えていると、コンコンという音がした。

「着替え終わりましたか?白雪姫。入ってもいいですか?」

「はい、終わりました。どうぞ」

すると、キィという音を立てドアが開いた。

「さすが白雪姫ですね、よくお似合いです。」
そう言うと、カヤは笑う。
「それでは、開店の準備をしましょう。」
カヤの後ろをついていく姫香。いや、白雪姫と呼んだ方がいいのか?





Snow White
この、カフェの名前だ。カヤが、看板を立てかけると一日が始まる。





「ようこそ!Snow Whiteへ!」