それからどのくらい経ったのか。目の前がフワフワしているのは、きっとお酒のおかげ。こうなるとアイツの事も忘れられるような気がする。

 そう……
 失恋を忘れる為だけの、はずだったのに―――――


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「んー……」

 眩しい……

 重たい瞼を上げ薄く目を開けると、カーテンの隙間から溢れる日差しが目に飛び込んできて、私は掌で視界を遮った。

 朝…?
 って……あれ。ここって・・?

「えッ!?――ッ」

 覚えのない状況に置かれている事に気が付いて一瞬で目が覚めた私は、思い切り体を起こした途端ガツンとまるで鈍器で頭を殴られたような痛みに襲われ、こめかみを抑えて悶えてしまう。
 まさか、本当に殴られたんじゃ――

「……んなわけないか」

 冗談を考えている場合じゃない。この頭痛は間違いなく二日酔いだよね。昨晩いつものBARで私は1人で飲んでいて……それから、どうなった?

 辺りを見回すと、正面には40インチから50インチくらいの大型テレビに壁側には茶色のデスクが設置されているシンプルな部屋。だけどまったく見覚えがない。どうやら私はその《《どこかの部屋の》》ダブルベッドで朝を迎えたらしく、真っ白な布団にしっかりと体が入っている。
 とりあえずスーツを着たままで、裸は免れたみたいだけど。

「落ち着け、私」

 ズキズキと痛む頭を抑えながら、自身に何度も呪文のように呟きながら冷静に昨晩の事を思い返してみる。