「ヴッヴン。俺の事はもういい。それより着物だ。頼んだ物はこれで全部か?」
「はい。依頼のとおり、そちらの娘さんに似合いそうな着物を用意させていただきました」
店主と目が合い、胸がドキッとする。見た目は老婆でも、この人もあやかしだ。キッと睨みをきかせた姿は人間にはない貫禄を感じる。
「まさか人間の娘の着物を売りに出す時が来るとは思いませんでしたよ。まぁ、北条家からの直々と依頼とあれば仕方ありませんが…」
うぅ…。やっぱり人間はあまり歓迎されないらしい。店主の言う通り、人間の私はこの世界にとって異物でしかない。
大切な着物を人間に売るなんて言語道断なんだろうな。
ん?待てよ?人間に売る?それってつまり…!
「ここの着物を買うのって私ですか!?」
「そうだ。いつまでも古着を着せる訳にはいかないと、当主が申してな。新しい物を買うために連れてきたという訳だ」
「そんな!こんな高価な物買えるお金なんて持ってません!私のような人間には、この着物で十分です!」
見るからに、高校生の私のお小遣いじゃ、簪の飾りすら買えないような物ばかり。ここに来るのもとんでもない場違いだ。
「金は北条家で支払う。だから気にせず、好きなものを選べ」
「はい。依頼のとおり、そちらの娘さんに似合いそうな着物を用意させていただきました」
店主と目が合い、胸がドキッとする。見た目は老婆でも、この人もあやかしだ。キッと睨みをきかせた姿は人間にはない貫禄を感じる。
「まさか人間の娘の着物を売りに出す時が来るとは思いませんでしたよ。まぁ、北条家からの直々と依頼とあれば仕方ありませんが…」
うぅ…。やっぱり人間はあまり歓迎されないらしい。店主の言う通り、人間の私はこの世界にとって異物でしかない。
大切な着物を人間に売るなんて言語道断なんだろうな。
ん?待てよ?人間に売る?それってつまり…!
「ここの着物を買うのって私ですか!?」
「そうだ。いつまでも古着を着せる訳にはいかないと、当主が申してな。新しい物を買うために連れてきたという訳だ」
「そんな!こんな高価な物買えるお金なんて持ってません!私のような人間には、この着物で十分です!」
見るからに、高校生の私のお小遣いじゃ、簪の飾りすら買えないような物ばかり。ここに来るのもとんでもない場違いだ。
「金は北条家で支払う。だから気にせず、好きなものを選べ」


