ーー大粒の涙が頬を伝う。悲しみで押しつぶさてしまいそうだ。


私を襲ってきたあやかしたちはどんな気持ちでいたのか、ようやく分かった。悲しかったんだ、辛かったんだ。


強い絆で結ばれていた人間に裏切られたような気持ちになって長い間、苦しめられながら生きてきた。罪のないあやかしたちを思うだけで胸が苦しい。


「時が流れた今でも、北条家はあやかしを収める立場にある。本来なら罰することを辞めたいが、そう簡単にはいかん。君は襲ってきたあやかしたちを見て、感じてくれただろう?お互いのためにも野放しには出来ない。辛いと思うが、これがあやかしという生き物の世界のルールだ」