しかし、時の流れとは残酷だ。


人間はあやかしより早いスピードで歳をとる。世代が移り変わり、あやかしの世界に迷い込んだ人間はあやかしの存在を知らないものが増えてきた。


やがて迷い込んだ人間はあやかしを見るなり恐怖で怯えるものが目立つようになった。あやかしたちはさらに悲しんだ。


あれだけ仲良くしていた人間たちが自分たちを怖がるようになった。


あやかしたちは光のあやかしにもう一度、人間たちと交流できないかと持ちかけた。だけど許可は出なかった。


会えばまた傷つく。光のあやかしはこれ以上、彼らを苦しめたくない。もう人間たちはあやかしことなど覚えていない。


それに納得しないあやかしも少なくはない。迷い込んだ人間に積極的に声をかけた。あやかしの世界から人間へは行けない。


人間に居場所を作ってあげようとした。そんなあやかしの心を拒むかのように人間たちは手にした武器で未知の生物を傷つけた。


ショックを受けた者はやせ細っていき、天へと旅立つものが増えていった。いつしかあやかしは人間を恨むようになった。


世界が2つに別れたのも、仲間がやせ細って旅立ってしまったのも、人間のせいだ。


以降、迷い込んだ人間をあやかしは襲うようになった。光のあやかしはすぐにやめるように言ったが彼らの心の傷は深く、悲しみに満ちていた。


見かねた光のあやかしは人間を傷つけたものは罰することにした。自身も辛いが何より、人間と絆を深め、信頼していたあやかしはそれ以上に傷を負っていた。