黒いモヤの様なものに包まれたあやかしは、のちに闇のあやかしと呼ばれる。


闇のあやかしは言った。世界をあやかしだけの物にしようと。しかし、人間とあやかしは拒んだ。二つの種族の間には強い絆があった。簡単には壊せないものだ。


世界を黒く染めたあやかしが闇なら、人間との絆を深めてきたあやかしは光。


光のあやかしは闇のあやかしに問う。どうして世界をあやかしだけの物にしたいのか。闇のあやかしは人間は自分たちを苦しめている。だから自分が上に立って人間を支配したいと。


許されるはずない。光のあやかしは闇のあやかしと戦った。人間たちを逃がし、長きに渡って争いを繰り返した。


人間たちはこれまで、畑も綺麗な水もあり、なんとかここまで生きてこれた。しかし、闇に覆われたこの世界にはそれらは少なくなっている。


戦いの中で多くの命が天へと旅立った。人間は弱い。あやかしは食事を取らなくても、生きていける。


見るに堪えなかった光のあやかしは争いをやめ、闇のあやかしに一つの提案をする。人間とあやかし、このひとつの世界をふたつに分けないかと。


失われる命のを見てきて光のあやかしは限界だった。闇のあやかしは光のあやかしの提案を受けいれ、世界を2つに分けた。