「人間だ!」

「なに?!人間だと」


ここは何なの!?あのバケモノたちは一体。ツノやキバがある人間なんて聞いたことないよ。


振り切って人気のない裏路地に身を潜める。一歩でも動くと襲われかねない。

ガタガタと震える身体を必死に抑え、息を殺してバケモノたちがいなくなるのを待つ。

すると制服のポケットに入れていたお守りが突然光出した。


「お守りがどうして…?龍神様、どうか私を守ってください」


ぎゅっと握りしめて無事に帰れることを祈った。


「ニンゲン、見つけた」

「きゃっ!!いや、来ないで…!」


腰が抜けてうまく歩けない。なんとか光が灯っている場所まで行くことができた。

だけどもう限界だった。足を痛めて膝や肘を擦りむいて。何よりもう怖くて限界だった。


なんで私がこんな目に合わなきゃいけないのよ。何のためにここに来たのか、誰か教えてよ。

きっと“あの声”の主がそれを知ってる。


ぞろぞろと集まってくる化け物たち。橙花は諦めていた。ここで死ぬんだ。何故、ここに来たのは分からないまま。

家族にも友人にも、二度と会えないんだ。