良好な関係を築いたあやかしはまさに光。穏やかで優しく、いつも皆の中心となっていた。


光のあやかしは闇のあやかしに言いました。


『これ以上、人間たちの生命が絶えていくのを見たくない。あやかしと人間の世界は分けるべきだ』


闇のあやかしはその提案を承諾しました。人間と離れたい。それが願いだったから。


光のあやかしは本来の姿に戻り、闇のあやかしと共に世界を2つに分けました。空は暗闇から解放されて、青空が広がり、水は光のあやかしの力で汚れが無くなりました。

あやかしの世界から人間の世界へと行けなくなりました。

世界を分けてからあやかしの中には悲しみで飢えていく者が現れるようになりました。


時々、あやかしの世界に人間が迷い込むことがあります。それは“神隠し”とのちに言われるようになりました。

迷い込んだ人間の中にはあやかしのことを覚えている人もいました。しかし、あやかしは誰一人、歓迎しませんでした。

世界を分けてから仲間達がひとり、またひとりと天へと旅立ったからです。

仲間が去ったのは人間のせいだ。人間が悪い。そう思うあやかしは多かった。

それまで人間を襲うことがなかったあやかしは恨みをぶつけるように人間を嫌い、襲うようになりました。

一方で、あやかしと交流関係があった人間たちは自分たちを最後まで護ってくれたあやかしたちを忘れないようにと石像を作り、神として拝めるようになりました。

水龍神社は世界を闇から救い出し、水を綺麗にしてくれた龍神様を永遠に伝えていくための場所となりましたとさ。