「さぁ、もう休むといい。今日は疲れただろう?眠るまで俺が傍にいる。ゆっくりと目を閉じ、明日また話そう」


菖さんの手が私の顔に触れた瞬間、緊張の糸が途切れ、私は一瞬のうちに目を閉じていた。身体が浮く感覚に気づくことなく、深い眠りへと誘う(いざな)


「不思議な人間の少女、橙花よ。君はもしかしたら大きな運命を背負って、ここに来たのかもしれない。この先、何があるか俺でも予想がつかない。だが、北条家の次期当主として、君をこの命にかえても護ると誓おう」



そして、運命の歯車が動きだすーーー。