「そうだ君の着ていた着物からお守りが出てきた。大切な物なんだろう?離さず持っていた方がいい」


着物の袖から金の刺繍が入ったお守りを出し、私の手に置く。


「ありがとうございます。…これ、ここに来てから光ったんですけど、それもあやかしと何か関係あるんでしょうか?」

「光った?」

「はい」


私はお守りの光について菖さんと瑞紀さんに話した。このお守り自体は私の家に先祖代々、受け継がれているもの。

私はこれを17歳の誕生日の時に両親から受け継いだ。何かあれば必ず守ってくれる。肌身離さず持っているようにと言われて。

そんなの半信半疑であやかしと同じように信じていなかった。ただの気休めとした思っていなかった私は今日の出来事で確信した。

このお守りはあやかしと何か関係があるんじゃないかって。


「なるほど。ここに来てからか」

「今までそんな事無かったし、光ったなんて話も聞いたこともなくて。私、知りたいんです。ここに来た理由とこのお守りについて。それと、私のこの瞳」

「瞳?綺麗な金色(こんじき)とは思っていたが何か気になることがあるのか?」

「家族で唯一、私だけが色が違うんです。思い当たる理由もなく、ずっと悩み続けてきました」