8月28日。
梅雨も明けて、天気が崩れる事が少なくなった今、絶好の星空日和だ。
「涼花、おはよう」
「優太、おはよう!今日すごい楽しみにしてきたんだから!!」
涼花がこうやって喜ぶ時は幼い涼花ちゃんを思い出す。無邪気で可愛い。きっと大人になった涼花はとてもモテてたに違いない。
「今日はどこに連れて行ってくれるの?」
「海だよ、たまには川じゃなくて海もいいかなと思ってさ」
「賛成!!」
涼花は河川敷の川の水に触れていた。冷たくて綺麗なこの川が好きだと言う彼女はたまに見せる大人の女性の表情だ。
きっと海も好きに違いないと僕の偏見で連れて行くことにした。ただ一つ問題がある。
「今日は車で行こうと思ってさ」
「え、優太運転できるの?」
「いや、免許は持ってるんだけど…」
そう、免許はすぐに取得したものの都内へ引っ越しをしてからは車に乗る機会などなく所謂、ペーパードライバーというやつだ。
「ちょっと、事故って私の元へこないでよ?」
「そんな縁起でもない…」
一応、事前にレンタカーを借りて親と練習はした。ただ遠出するのとは話が違う。少し緊張しながら涼花を車に乗せてはハンドルを握って車を動かす。
「道自体はそんなに複雑じゃなかったから、多分大丈夫。多分」
「その多分が怖いけど…まぁ、優太に任せようかな」
そんな彼女の言葉を軽く聞き流さなければならないくらいには、目の前に集中していた。しばらくすれば運転にも慣れてきて、ただ真っ直ぐ走ればいい道のりに感謝した。
途中で寄り道をしては、美味しいと有名だったハンバーガーを一緒に食べる。
「そういえば気になってたんだけどさ、涼花って写真とか写る事できるの?」
「えー、どうなんだろう。試してみる?」
そう言いながら食べかけのハンバーグを顔の横につけポーズを撮り始める。スマホを取り出しカメラを起動させ、涼花の方へ向け写真を撮る。
撮った写真を見返すとそこには涼花はくっきり写っていた。
「へー!私写真で残るじゃん!すごい!もっと前から撮っておけば良かったなー。」
それは僕も同感だ。なんでもっと色んな涼花の写真を撮ってあげられなかったんだろう。あと少しで君はいなくなってしまうのに。
そんな僕の気持ちなんか他所に彼女はハンバーグを食べ尽くした。
その後も彼女が気になる場所へ寄り道したり、ピーナッツバターの味がするソフトクリームを食べたりと食に関してはご満悦の様子だ。
少しずつ道を下って行くと、彼女が車の窓を開ける。そこからは微かに夏と海の匂いがした。
梅雨も明けて、天気が崩れる事が少なくなった今、絶好の星空日和だ。
「涼花、おはよう」
「優太、おはよう!今日すごい楽しみにしてきたんだから!!」
涼花がこうやって喜ぶ時は幼い涼花ちゃんを思い出す。無邪気で可愛い。きっと大人になった涼花はとてもモテてたに違いない。
「今日はどこに連れて行ってくれるの?」
「海だよ、たまには川じゃなくて海もいいかなと思ってさ」
「賛成!!」
涼花は河川敷の川の水に触れていた。冷たくて綺麗なこの川が好きだと言う彼女はたまに見せる大人の女性の表情だ。
きっと海も好きに違いないと僕の偏見で連れて行くことにした。ただ一つ問題がある。
「今日は車で行こうと思ってさ」
「え、優太運転できるの?」
「いや、免許は持ってるんだけど…」
そう、免許はすぐに取得したものの都内へ引っ越しをしてからは車に乗る機会などなく所謂、ペーパードライバーというやつだ。
「ちょっと、事故って私の元へこないでよ?」
「そんな縁起でもない…」
一応、事前にレンタカーを借りて親と練習はした。ただ遠出するのとは話が違う。少し緊張しながら涼花を車に乗せてはハンドルを握って車を動かす。
「道自体はそんなに複雑じゃなかったから、多分大丈夫。多分」
「その多分が怖いけど…まぁ、優太に任せようかな」
そんな彼女の言葉を軽く聞き流さなければならないくらいには、目の前に集中していた。しばらくすれば運転にも慣れてきて、ただ真っ直ぐ走ればいい道のりに感謝した。
途中で寄り道をしては、美味しいと有名だったハンバーガーを一緒に食べる。
「そういえば気になってたんだけどさ、涼花って写真とか写る事できるの?」
「えー、どうなんだろう。試してみる?」
そう言いながら食べかけのハンバーグを顔の横につけポーズを撮り始める。スマホを取り出しカメラを起動させ、涼花の方へ向け写真を撮る。
撮った写真を見返すとそこには涼花はくっきり写っていた。
「へー!私写真で残るじゃん!すごい!もっと前から撮っておけば良かったなー。」
それは僕も同感だ。なんでもっと色んな涼花の写真を撮ってあげられなかったんだろう。あと少しで君はいなくなってしまうのに。
そんな僕の気持ちなんか他所に彼女はハンバーグを食べ尽くした。
その後も彼女が気になる場所へ寄り道したり、ピーナッツバターの味がするソフトクリームを食べたりと食に関してはご満悦の様子だ。
少しずつ道を下って行くと、彼女が車の窓を開ける。そこからは微かに夏と海の匂いがした。