黄色。
 綺麗に咲いている向日葵の色。
 スーパーにあるフルーツの色。
 通学中の小学生の帽子の色。
 そして、止まれの合図、信号機の色。
 黄色は注意の色。
 ここまでにしておけという、注意の色。


 彼女が履いている黄色のスカートを見て、僕はいつも思い止まる。
 これ以上はダメだ。思い止まる理由を見つけて、自分に言い聞かせる。
 彼女はダメだ。彼女だけは。
 だって彼女は、違う人を想っているのだから。
 だって彼女は、それを僕に求めていないから。