「好きです。なので、この告白断ってください。」

 叶わない恋だと思ってた。

「なんで俺が断らなきゃいけないんだよ。」

 その怒りに満ちた声。

「俺は……。お前のこと好きだよ。」

 思考が追いつかなかった。その怒りとともに吐き出される、甘い言葉。

「なんで…………。ハァ……ハァ。なんで、逃げるんだ?どんだけ俺を怒らせれば気が済むんだお前は……。」

 何かを間違えてしまった……らしい。

「両想いなら付き合おうぜ、俺たち。」

 そんな始まりだった。奇跡のような運命だった。運命だった私たち、別れを選んだのは紛れもなく必然だった。