「それではクジ引きを始める。
各リーダーは集まれ」
結局朝食を食べた流れでそのままお兄様と今世2度目の馬車登校をした私は、学園に着いてすぐにお兄様と別れたわ。
グラウンドに集まっていた合同訓練でグループを組むメンバーと合流する為よ。
皆それぞれが訓練に相応しい格好をして、グループのメンバーごとに固まっているわ。
時間通りに2年生の学年主任の呼びかけで各グループのリーダー達が1ヶ所に集まって行く。
もちろん私は単なるグループ構成員だから大人しくその他大勢の1人になっているのよ。
うちのグループリーダーは冒険者を目指している下級貴族の次男、灰色髪に暗緑色の瞳の厳ついお顔のラルフ君。
あの塩害のあった領主の子息で、卒業したあのDクラスにお兄さんがいたの。
そこにいるサブリーダーは魔法師科を選択した薄茶の髪に焦げ茶の瞳をした草食系男子。
商家の長男で平民のローレン君。
この2人が主に討伐の前線に立つから、魔獣の素材や食料肉の調達は彼らの担当よ。
私の隣の黒髪眼鏡女子はお針子としてアルバイト中の下級貴族の3女、カルティカちゃん。
眼鏡に薄っすら色がついているから瞳は緑に見えるの。
彼女も魔法師科を選択していて治癒係でもあるわ。
魔法具科の私はちょっとした後方支援と、カルティカちゃんと一緒に野営の準備と食事を担当するのよ。
といっても、クジの内容次第で担当は変わるでしょうから静かに見守りましょう。
「1番」
4年生の学年主任が番号を読み上げ始めたわ。
同じ番号の2年生と4年生が組むの。
「2番」
あらあら、王子はうちのクラスで実力上位のグループを引き当てたのね。
集まった王子のグループにはお供君の他に2人のご令嬢。
彼女達の生家は公爵家と侯爵家だったかしら?
4年生もAクラスは高位貴族ばかりのようね。
「5番」
まあまあ、お兄様がリーダーなのね。
うちのクラスの中堅あたりのグループが集まって行ったわ。
「9番」
あら、あれは……。
「ロブール様、行きましょう」
カルティカちゃんに声をかけられ、皆でリーダーの元に集まって同じグループになった4年生にご挨拶よ。
4年生はあの時のお庭コントの構成員で四公ニルティ家の次男がリーダーね。
いかにも魔法師っぽい出で立ちだわ。
サブリーダーは候爵令嬢だけれど、確か彼女は現王の末の弟である大公が婿入りした辺境候爵家の次女で実力派の女性騎士。
他に候爵令息と候爵令嬢の2人が治癒係兼後方支援かしら?
「これはこれは、ロブール公女」
集まれば4年生のリーダーがニヤリと意地の悪そうな笑みを向けたわ。
青灰の瞳にニルティ家に多い先代王妃の1人と同じ、ミルクティー色の髪よ。
うちのリーダーが挨拶しようとしたのだけれど、彼には1番後ろに控えた私しか目に映らないのかしら?
「ご機嫌よう、ニルティ公子。
本日は危険を伴う合同訓練の場ですから、まずはうちのリーダーからご挨拶と私達グループのメンバー構成をお伝えしてよろしいかしら?」
にっこりと淑女の微笑みを向ける。
無視したいけれど、この中で彼と同格の身分は私しかいないのよね。
「ふん、無才無能ぶりは相変わらずご健在のようだ。
Dクラスでグループリーダーにすらなれないとは、我が国の第2王子の婚約者として恥ずかしくないのですか」
「あらあら、全く何も感じておりませんことよ。
それより本日は危険を伴う合同訓練の場ですから、まずはうちのリーダーからご挨拶と私達グループのメンバー構成をお伝えしてよろしいかしら?」
にっこりと淑女の微笑みを向けて再び一言一句変えずに伝える。
「君のような者が、このニルティ家公子である俺を馬鹿にしているのか」
途端に敬語を取っ払って不機嫌になるけれど、孫のお話じゃなかったかしら?
「全くあなたに興味の欠片も持っておりませんことよ?
それより本日は危険を伴う合同訓練の場ですから、まずはうちのリーダーからご挨拶と私達グループのメンバー構成をお伝えしてよろしいかしら?」
にっこりと淑女の微笑みを向けて3度目も一言一句変えずに伝える。
「お前……」
鼻白んでこちらに1歩踏み出す公子。
あらあら?
口調が変わったみたい。
するとうちのリーダーが無言ですっと私を背中に隠したわ。
顔や体つきは冒険者を目指すだけあって厳ついけれど、実は草花愛好家な優しいリーダーなのよ。
お婆ちゃんはこんな若者が大好きだから、お昼ごはんのお肉は多めによそってあげましょう。
各リーダーは集まれ」
結局朝食を食べた流れでそのままお兄様と今世2度目の馬車登校をした私は、学園に着いてすぐにお兄様と別れたわ。
グラウンドに集まっていた合同訓練でグループを組むメンバーと合流する為よ。
皆それぞれが訓練に相応しい格好をして、グループのメンバーごとに固まっているわ。
時間通りに2年生の学年主任の呼びかけで各グループのリーダー達が1ヶ所に集まって行く。
もちろん私は単なるグループ構成員だから大人しくその他大勢の1人になっているのよ。
うちのグループリーダーは冒険者を目指している下級貴族の次男、灰色髪に暗緑色の瞳の厳ついお顔のラルフ君。
あの塩害のあった領主の子息で、卒業したあのDクラスにお兄さんがいたの。
そこにいるサブリーダーは魔法師科を選択した薄茶の髪に焦げ茶の瞳をした草食系男子。
商家の長男で平民のローレン君。
この2人が主に討伐の前線に立つから、魔獣の素材や食料肉の調達は彼らの担当よ。
私の隣の黒髪眼鏡女子はお針子としてアルバイト中の下級貴族の3女、カルティカちゃん。
眼鏡に薄っすら色がついているから瞳は緑に見えるの。
彼女も魔法師科を選択していて治癒係でもあるわ。
魔法具科の私はちょっとした後方支援と、カルティカちゃんと一緒に野営の準備と食事を担当するのよ。
といっても、クジの内容次第で担当は変わるでしょうから静かに見守りましょう。
「1番」
4年生の学年主任が番号を読み上げ始めたわ。
同じ番号の2年生と4年生が組むの。
「2番」
あらあら、王子はうちのクラスで実力上位のグループを引き当てたのね。
集まった王子のグループにはお供君の他に2人のご令嬢。
彼女達の生家は公爵家と侯爵家だったかしら?
4年生もAクラスは高位貴族ばかりのようね。
「5番」
まあまあ、お兄様がリーダーなのね。
うちのクラスの中堅あたりのグループが集まって行ったわ。
「9番」
あら、あれは……。
「ロブール様、行きましょう」
カルティカちゃんに声をかけられ、皆でリーダーの元に集まって同じグループになった4年生にご挨拶よ。
4年生はあの時のお庭コントの構成員で四公ニルティ家の次男がリーダーね。
いかにも魔法師っぽい出で立ちだわ。
サブリーダーは候爵令嬢だけれど、確か彼女は現王の末の弟である大公が婿入りした辺境候爵家の次女で実力派の女性騎士。
他に候爵令息と候爵令嬢の2人が治癒係兼後方支援かしら?
「これはこれは、ロブール公女」
集まれば4年生のリーダーがニヤリと意地の悪そうな笑みを向けたわ。
青灰の瞳にニルティ家に多い先代王妃の1人と同じ、ミルクティー色の髪よ。
うちのリーダーが挨拶しようとしたのだけれど、彼には1番後ろに控えた私しか目に映らないのかしら?
「ご機嫌よう、ニルティ公子。
本日は危険を伴う合同訓練の場ですから、まずはうちのリーダーからご挨拶と私達グループのメンバー構成をお伝えしてよろしいかしら?」
にっこりと淑女の微笑みを向ける。
無視したいけれど、この中で彼と同格の身分は私しかいないのよね。
「ふん、無才無能ぶりは相変わらずご健在のようだ。
Dクラスでグループリーダーにすらなれないとは、我が国の第2王子の婚約者として恥ずかしくないのですか」
「あらあら、全く何も感じておりませんことよ。
それより本日は危険を伴う合同訓練の場ですから、まずはうちのリーダーからご挨拶と私達グループのメンバー構成をお伝えしてよろしいかしら?」
にっこりと淑女の微笑みを向けて再び一言一句変えずに伝える。
「君のような者が、このニルティ家公子である俺を馬鹿にしているのか」
途端に敬語を取っ払って不機嫌になるけれど、孫のお話じゃなかったかしら?
「全くあなたに興味の欠片も持っておりませんことよ?
それより本日は危険を伴う合同訓練の場ですから、まずはうちのリーダーからご挨拶と私達グループのメンバー構成をお伝えしてよろしいかしら?」
にっこりと淑女の微笑みを向けて3度目も一言一句変えずに伝える。
「お前……」
鼻白んでこちらに1歩踏み出す公子。
あらあら?
口調が変わったみたい。
するとうちのリーダーが無言ですっと私を背中に隠したわ。
顔や体つきは冒険者を目指すだけあって厳ついけれど、実は草花愛好家な優しいリーダーなのよ。
お婆ちゃんはこんな若者が大好きだから、お昼ごはんのお肉は多めによそってあげましょう。