2000/01/01

カン・・・カン・・・カン

やや長身瘦躯の中年が死んだ目をしてシアターから真っ先に出ていく

終わった

全て

何もかも

僕のゲームも

時代も

過去も未来も

全て!!

まぁ、別に涙も出ないクソみたいな現実だね

カン・・・カン・・・カン・・・

「待って!」

・・・・・

「どこにいくの!?」

・・・・・

「どこに行くと思う?」

「え?」

「どこにも行くアテのない人形が、一体どこにいくんだよ」

抑揚がない

まぁ、いつもそうか・・・ククク

「アナタだって本当は」

「うるさいなぁ!」

子どもみたいな声の荒げ方をしていた

僕らしくもない

「だったら、君が作ればいいじゃないか」

「な、何を」

「僕たちのようなクソにもならない人種の託児所を、キミが作ればいい」

・・・・・

「教えてくれよ。僕はドコに行けばいいんだ?」

そう言った後、男は風のように消えてしまいました

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約二か月後

第二の人生を歩んだあのガキは

増長した結果、裸の王様になり果てた

だが結局

最後にソレになり果てたのは・・・

「僕とキミだけのようだったねぇ、堀上篤志くん!」

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振り返ったソイツは僕の名前を呼んだ

やぁ、久々だね。調子はどうかな?

あんたには悪いけど、最高の気分や

無事に未来にたどり着いたようで何よりだ。僕にとっては、最悪の結果だがね

あんたはこれからどうするつもりや

さぁ、わからないね。だが・・・

なんや

堀上くん、人間というのはね。生まれ、外の世界に顔を見せた瞬間から、もう社会の負け組か勝ち組が決まっている

・・・・・

キミも僕ぐらいの歳になればわかるさ

そうして黛は、俺に何かを飛ばしてきた

ガシャーン!

それは、針がぶっ飛びバラバラに壊れた懐中時計やった

それを拾い上げた時には、もうアイツはおらんかった

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さて・・・どこに行こうか

「止まれ」

・・・・・

「黛裕介だな、お前をタイムハッカーの容疑で逮捕する」

そう言って場違いな格好をした男たちが僕に言った

「随分と遅かったじゃないかぁ。もう来ないかと思っていた」

「時空警察だ、ちゃんと状況証拠に逮捕状も出ている。逃げられんぞ」

「どうだっていいよ、早く連れていってくれ。こんな世界。もうたくさんだ」

「やけに素直だな、もっと抵抗すると思っていたのだが」

抵抗?

バカ言うな

僕だって空間視察してる連中にケンカ売るほどバカじゃない

「早くしてくれ、時間が惜しい」

「了解した。おい!時空の門を開けろ!」

空間が歪み、そこに僕は収納された

「神様なんて、本当はいないんだよ」

「なに?」

お前らじゃない、この文献を見てるキミ達に言ってるんだ

「この世はねぇ、神も仏も正義も愛も。全部まやかしなんだよ!!」