それに、今度は僕宛てだって?



「あ、いらっしゃいま…」


「あの、さっき電話もらった丹波なんですけど、僕宛ての花束って…」



息を切らしてお店に飛び込んできた僕に店員さんは怪訝な顔をしながらも、ああとすぐに奥から見覚えのある黄色い花束を持ってきてくれた。



「こちらですね。差出人は、向坂陽葵さんです」


「陽葵、が…」



どうして今日、陽葵が僕に花束なんかを…。


そう思い返してから、ふと今日が9月20日、僕の誕生日だったことをやっと思い出す。



–––––「その時は私に一番にお祝いさせてね!」



その約束を、陽葵は守ってくれたんだ。