泣きながら笑っている陽葵にオロオロとしながら、とりあえず喜んでくれたことにホッとする。



「でも、どうして向日葵なの?お花っていっぱいあるでしょ?」


「向日葵が僕の中の陽葵のイメージにぴったりだったから。あとは、花言葉かな」


「花言葉?」



少し落ち着いて泣き止んでくれた陽葵が、向日葵と僕を交互に見ながらきょとんとしていた。



「僕もお店の人に教えてもらうまで気にしたことがなかったんだけど、花にはそれぞれ意味があるんだって。例えばチューリップだったら“愛の告白”、ガーベラだったら“希望”とかね。で、向日葵の花言葉は“憧れ”。僕は向日葵みたいに真っ直ぐで眩しい陽葵に憧れているから」


「何それ…っ」



陽葵は再び泣き出してしまった。


だけどそれが嬉しさから来るものだと僕はもうわかっているから、笑いながら涙を拭ってあげた。



「…あのね、陽葵。僕は、陽葵のことが…」