「ごめん、お待たせ」


「どうし…」



振り返った陽葵の前に、綺麗に包まれている黄色の花束を差し出す。



「これ…全部向日葵?」



向日葵のミニブーケを受け取った陽葵が、意味がわからないといった顔で僕を見上げてきた。



「誕生日、おめでとう。陽葵が何がほしいのかわからなかったから、ベタだけど花束にしてみたんだ」


「誕生日…知ってたの?」


「あ、初めて会った日に日記ちょっと見せてくれたでしょ?その時に書いてあったから…」



陽葵がポロポロと泣き出してしまい、思わずぎょっとする。



「ご、ごめ…っ、違くて…。嬉しい。今日、私の誕生日だから海斗くんと一緒に過ごしたかったの。まさか知っててくれたなんて思ってなかったし、こんな綺麗な花までくれて…人生で一番嬉しいよ」