元から小さな遊園地ということもあり一時間過ぎが経った頃、残りは絶叫系がいくつかと観覧車だけになっていた。



「最後は定番の観覧車!男の子と来るの夢だったんだよねー」


「相手が僕なんかでごめんね」


「なんでよ!海斗くんでよかったよ」



にこっと優しく微笑まれ、不覚にもどきりとしてしまう。



陽葵は誰が見ても整った顔立ちをしていて愛嬌もよく、可愛い。


もしも普通に学校に通っていたとしたら陽葵の周りにはたくさんの人がいて、地味な僕なんかきっと見向きもされなかっただろう。


今こうして一緒にいることなんて、夢のまた夢だったんだろう。



「見て、海斗くん!人がありんこみたいだよ!」



でも今陽葵の隣にいるのは、紛れもなくこの僕なんだ。