時間というものは残酷にも流れていき、今日は8月26日。夏も終わりかけていた。


最近の陽葵は体調を崩しているみたいでずっと家で過ごしているらしい。


スマホを持っていない陽葵の代わりに、陽葵が倒れた日に連絡先を交換した陽葵のお母さんがそう教えてくれた。



「海斗くん、ごめんね。迎えにきてもらっちゃって」


「いえ」



今日は割と陽葵の体調がいいみたいで、ニ時間だけなら外に出ていいと許しが出たのだ。


そのため、僕が陽葵の家まで迎えに来ていた。



「今日は海斗くんに絶対会うんだってあの子聞かなくて。…不思議ね。海斗くんのことをきっと覚えているはずないのに、それでも会いたい気持ちは変わらないなんて。…って、ごめんなさい。無神経だったわね」


「いえ…。そうだとしたら嬉しいです」



日記を見て僕の存在を思い出せるわけではないけど、それでも僕に会いたいと思ってくれたのだとしたらそれより嬉しいことなんてない。