「陽葵!?」



慌てて陽葵に駆け寄ると、陽葵は苦しそうに胸を押さえて荒い呼吸をしていた。



…もしかして、今日ずっと体調が悪いのを隠していたんじゃないのか。


この場所から動こうとしなかったのも弱々しい陽葵らしくない笑顔も、全部体調が悪いのを我慢していたんじゃ…。



「もしもし、あの、友達が倒れて…」



もっと僕が早く気づけばよかったと後悔しても遅い。


とりあえず震える指で119に連絡をして救急車を呼ぶ。



「海斗くん!」



待合室の前で座っていると、陽葵のお母さんが息を切らせながら駆け寄ってきた。



「すみません、僕が一緒にいたのに陽葵の体調が悪かったことに気づいてあげられなくて…」