–––バッシャーンッ!



冷たい海に陽葵を抱えたまま背中から倒れ込んでしまう。



「ふ、あはは!びしょびしょだ」


「笑い事じゃないよ…」



僕の上に乗っている陽葵は本当にここにいるのかと思うくらい軽くて、病人なのだということをふと実感する。



「あんまりはしゃぎすぎると、体調悪くなるんじゃないの?」


「うーん、そうなった時はそうなった時だよ!海斗くんといると楽しいんだもん」



近い距離でにこっと微笑まれ、不覚にもドキリとしてしまう。



「だからって、このままじゃ風邪引くよ。今日はもう帰りな」


「えー今来たばっかりなのに…。あ、そうだ!海斗くんがうちに来ればいいんだよ」