…って、僕は何を言っているんだろう。


陽葵になんて言葉をかけてあげればいいのかなんてわからなくて、思ったままにペラペラと話してしまったせいで陽葵がぽかーんと口を開けて固まっている。



「…なんて、ごめん。陽葵の気持ちも何も知らないでこんな偉そうなこと…」


「ふ…っ、あはは!なにそれ、面白い。そんなこと言う人多分初めて出会ったと思うよ」



なぜか陽葵がおなかを抱えて笑い出し、涙まで流していた。



「面白すぎて涙出てきたじゃん、あははっ、やっぱりキミは面白い人だね」


「いや、結構真面目に答えたつもりなんだけど…」


「ふふ、ますます気に入っちゃった。あのね、私、病院じゃなくて家暮らしなの。病人だったら、入院してるのが普通なんだろうけど、私の場合は入院してたってよくならないからね。それなら家がいいってわがまま言って聞いてもらってるの。だから、なるべく家にいなきゃいけないんだけど、一日三時間なら外に出てもいいってことになってるの。もちろん何かあった時のために、家の近く限定だからそんなに遠くは行けないんだけどね。でも、今日だけでこんなにいい場所とキミを見つけられたから、これからはここに通おうと思います。あ、異論はなしだよ?」


「ええ…」



と口ではいいつつも、実は陽葵ともっと話してみたいと思う自分がいた。