桜並木に入ると葉は空を覆い尽くす勢いで伸びており、見上げてもほとんどが緑だ。
言うなら今だ、と口を開こうとすると上手く声が出なかった。
静かに咳払いをする。
何故だか俺自身も詳しくは分からないけれど、大空に言う行為に対してか、俺の決定に対する大空の反応になのか、心臓がバクバクと激しく動いていた。
手汗もすごい。
それを落ち着けるために深呼吸をして、会話を日本語に戻す。
ゆっくり、焦らずを意識して声を出した。
「俺、どっちも頑張ろうかと思うんだ」
住宅街の中、車や話し声も聞こえない静かな空間に、そんなはずはないとわかってはいるものの、俺の声がひときわ響くように聞こえた。
「欲張りだけど、無茶かもしれないけど、やらずにきっと駄目だって諦めるのは嫌だ。どうせ生きるなら今を一生懸命生きたい」
言い切った俺は凄く清々しい気持ちで大空を見る。
葉の緑を見ながら大空は頷いた。
「そっか……。うん、なんか新しい清夏って感じ。一歩踏み出せたんだね」
「ああ。これから卒業までは目まぐるしい生活になりそう」
「やる気に漲ってるし。でも、やっぱり清夏なら大丈夫な気がする。引き続き、清夏応援隊は応援させてもらいましょう」
「何それ」
「私と猪野くんが加入済みです」
「いつも間に!?」
言うなら今だ、と口を開こうとすると上手く声が出なかった。
静かに咳払いをする。
何故だか俺自身も詳しくは分からないけれど、大空に言う行為に対してか、俺の決定に対する大空の反応になのか、心臓がバクバクと激しく動いていた。
手汗もすごい。
それを落ち着けるために深呼吸をして、会話を日本語に戻す。
ゆっくり、焦らずを意識して声を出した。
「俺、どっちも頑張ろうかと思うんだ」
住宅街の中、車や話し声も聞こえない静かな空間に、そんなはずはないとわかってはいるものの、俺の声がひときわ響くように聞こえた。
「欲張りだけど、無茶かもしれないけど、やらずにきっと駄目だって諦めるのは嫌だ。どうせ生きるなら今を一生懸命生きたい」
言い切った俺は凄く清々しい気持ちで大空を見る。
葉の緑を見ながら大空は頷いた。
「そっか……。うん、なんか新しい清夏って感じ。一歩踏み出せたんだね」
「ああ。これから卒業までは目まぐるしい生活になりそう」
「やる気に漲ってるし。でも、やっぱり清夏なら大丈夫な気がする。引き続き、清夏応援隊は応援させてもらいましょう」
「何それ」
「私と猪野くんが加入済みです」
「いつも間に!?」