「ずっと目で追いかけてたし」
「もうわかった。そうだよ。俺は大空が好きだ」
「よく言った」

嬉しそうな声が電話を通して聞こえる。

「未だに告白できずにいる清夏くんにお悩み相談室を開いてあげよう」
「結構です」
「人の好意を無下にしないでくださーい」

思わずため息がついた。
余計な好意は扱い方に困る。

「ため息もやめてくださーい。傷つきまーす」

朔凪らしいおちゃらけも無視して話を進める。

「俺の悩み、知ってんの?」
「わぁ無視。んじゃ、清夏って留学行く?」

まさかの俺の質問も無視され、逆に質問返しを食らった。

だが、俺も同じことをしたから無視するなとは言えない。

「行くけど」
「オーケー。なら、予想が立った」

間を開けて、それが俺の質問への答えだと理解する。

「清夏は留学に行きたい。でも、もっと大空と一緒にいたい。この二択を選べない。そういうことじゃない?」

なぜ、わかったんだろう。

驚きの声が音として出ず、俺はポカンと口を開く。

「あれ、もしかして当たってる?」
「……可笑しいだろ。なんで当たるんだよ」
「お~。そしたら、話は早いね」

朔凪は一度俺の名前を呼んで一言。